アリーシャ可愛い
スレイも爽やかで良い。
あーこのカップリングいいなー
オーク、エルフの子供を助ける。
オークの正義
森を彷徨い続けて何日か建った。
ある日、街道沿いを通りかかった時、エルフの子供が行き倒れているのを見つけた。
エルフなど珍しい存在もいたものだ。ここよりはるか西に国があると聞いたことがあるが・・・
よく見ると手に手錠と鎖が付いていた。
奴隷として身売りされて逃げてきたのかもしれない。
少女をそのままにしておくわけにもいかず、根城にしている洞穴に寝かせて介抱することにした。
少女は目を覚ました。
少女『・・・・うお・・・うおおおおおおお・・・オークだ、オークだ。』
少女は遠慮なく洞穴中の食べ物を食い尽くし、満足してうたたねを始めた。
ああ・・エルフって・・・もっとこうさ・・・つつましやかな感じかと・・・思っていたのに・・・
少女『オーク・・・どうして私を助けたの?・・・可愛いから?』
最後の一言はひどく余計な気がする。
オーク『違う・・・誰かを助けたい・・・その信念に従っただけだ。』
少女『・・・ぷぷ・・・カッコいいこと言ってる・・・オークなのに、オークなのに』
この子供・・・本当に助け甲斐がないな・・・
$$$
オークは遠くからやってくる人物を感じた。
人のにおい・・・この魔獣だらけの森のこんな深くまで・・・まっすぐこっちへ向かって来る・・・
『オークか・・・この森に出没する最上位魔獣じゃないか・・・』
追って来たのは魔導士のかっこをした老人だった。こちらの様子を不思議そうに見る。オークが誰かを助けるということがそこまで珍しいのだろう。
『ん?・・・さて・・・オークよ。一応貴様に知性があるならば聞いておく。そのエルフの少女を渡してもらえないか?・・・それは苦労して捕まえた私のモノなんだ。』
少女は男の顔を見るなり、顔を真っ青にして怯えて居すくまっている。
その様子は自分の過去の映像とダブって見えた。ひどく不快だ。自分はこの男と同じことをしてきた・・・今はその立ち位置が違うだけだった。
オーク『・・・去れ』
棍棒をどんと地面について威嚇する。
男はやれやれとおどけて見せる。
男『・・・俺は悪者ってわけだ。・・・だが、このエルフの子を捕らえるまでの俺の苦労などわかるはずないだろ・・・悪いが・・・力ずくでも奪わせてもらう』
男は杖で地面に魔法陣を描く。図形からオークと同程度の巨体が姿を現す。
『ゴーレム』と呼ばれる石でできた屈強な人形だ。これもはるか西の地方にしか生息しないと聞く。
オークは渾身の力で棍棒をゴーレムに叩き付ける。周囲の鳥たちが逃げ出すほどの轟音が響き渡る。
しかし、石のような堅い素材でできたゴーレムには全く効いていなかった。
オーク『・・・』
オークは棍棒でなんども殴りつけるがダメージひとつ入らない。
お返しとばかりにゴーレムはオークに腕を振り上げて打ち付ける。
オークはゴーレムに何発も殴られる。
たくさんのアザ、したたり落ちる血が痛々しい。
やっと・・・自分に・・・恥じない戦いができるんだ・・・
負けられない・・・負けることは・・・許されないんだ・・・
薄れゆく意識の中で毛むくじゃらの化け物のことを思い出す。
++++++++++++++++++
熊『じゃあ・・・この残った酒はお前にくれてやるぜ・・・ちびちび飲んでくれや・・・』
オークは立ちあがれないでいたが、なんとか声を振り絞った。
オーク『・・・・どうして・・・自分なんかに・・・こんなに・・・良くしてくれるんだ?・・・』
熊『・・・正直・・・かっこつけているだけなのかもな』
・・・かっこつける?
俺の祖先は真田流の初代に事あるたびにコテンパンにされた。でも、そのあと市場で売れ残った野菜をおすそ分けしてもらってたらしい・・・
熊『勝負に負けた後に・・・そんなことされたら・・・そりゃかっこいいだろ?』
オーク(・・・・よくわからない文化だな・・・)
熊『お前さんに足りないモノは・・・そこなのかもな・・・力をふるうばかりで・・・力を分け合うことをしていない・・・みたいな・・・』
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力を分け合う?
正直・・・あのときは意味がわからなかった・・・でも・・・今なら・・・わかる気がする・・・
ふふ・・・
あの黒い衣装の化け物にもサンドイッチをもらったことがあったか・・・
あれもまた毛むくじゃらの化け物と同じことをしたのかもしれない・・・
ウオオオオオオオオオオオオン
オークは叫ぶ。
辛い声で叫ぶ。
自分はまだ負けていないとただひたすらに叫ぶ。
オークは棍棒をその場に捨てる。
ゴーレムは上げた腕を振り下ろす・・・
オークは・・・その腕を・・・やわらかく・・・受け止める。
ゴーレム『・・・・?』
オークは腕をつかんで・・・ゴーレムの重心をずらして転ばせた。
「・・・なんだ?・・・そんなことでゴーレムがダメージを受けると?」
ゴーレムは何度もオークに飛びかかるが・・・オークはそれを何度も投げ飛ばす。
何度も・・・何度も続く・・・
オークはゴーレムの動きの違和感に気づく・・・彼は動く前に一瞬止まって・・・首飾りを外そうとする動作を入れる・・・もしかしたら・・・
最後の力を振り絞り、
オークはゴーレムに飛びかかる・・・そしてゴーレムの首飾りを引き千切った。
オークは倒れこむ・・・もう体力の限界だった。
男『よくやった。ゴーレム・・・ん?』
ゴーレムは振り向いて渾身の力で男めがけて拳を振り下ろす。男は間一髪避ける。
男『・・・・ヤバい・・・制御装置が外れたか・・・』
男は状況を察してか一目散に逃げていく。
エルフの少女はオークに駆け寄る。
『オークのおじさん!大丈夫・・・オークは頑丈だから大丈夫だと思うけど・・・ひどい大怪我・・・』
(本当に助け甲斐のない子供だな・・・)
意識がなくなっていくのを感じた。
はたく
大海「私は・・・孝一君のことが・・・大好きだからね・・・」
孝一(・・・)