魔法の書について

魔法の書について



木の七賢人 マクラーレン=メリオドス



『魔法の書』は魔法使いや剣士にとってもはや欠かせないアイテムである。
その機能は下記2点である。(※スマホみたいな物)


【メッセージ送信機能】
インクのしみ出す魔法の羽ペンで文字を書くと特定の相手の魔法の書にその文字が転書される。魔法使いの任務連絡や報告用に使われる。木の魔法を中心に開発された。

【念写機能】
背表紙の呪印を対象に向けて魔力を少し流し込むとその画像を転写できる。水の魔法を中心に開発された。

この『魔法の書』を発明したのが、木の七賢人マクラーレン=メリオドスであり、当初は小金稼ぎとしてほそぼそやっていたが、現在では、魔法協会の業績の半分を稼ぎ出す一大事業となっている。




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ウツロは、新人の頃、一度だけマクラーレンに会ったことがあった。魔法の書をもらいに行く時だったっけ・・・一番最後に魔法の書を授与されることになったウツロは彼の自室に直接訪ねることになった。


ピカピカの本部の廊下をドキドキしながら進む。
通された部屋の扉を開けると・・・そこは森だった・・・


いやここは屋内のはず・・・だがそこには空があり森があった・・・いや空は色を付けているだけか・・・でも明るい・・・すごい技術だな・・・


綺麗な庭園に珍しい幻想的な木々が並ぶ・・・小さな小川も流れて、小鳥もさえずる。


普段は無感動なウツロとてこんな庭園を見せられて全く心が動かないわけではない・・・
妖精とか出てきそうだな・・・なんて




着いた先には・・・




『全裸の男』がそこに居た・・・




「やぁ、待っていたよ」
ウツロ(・・・妖精・・・妖精とか?・・・ががが)



テーブルに腰かけた彼は足を組み優雅に紅茶をたしなむ・・・長身で緑の長髪、キラキラと整った容姿と無駄のない筋肉・・・まるで石膏像みたいだ・・・そして、全裸
あとで聞いた話だが、木の七賢人のマクラーレン様は変わったところがあって、服を着るのが大嫌いで常に全裸らしい。


俺はあの時、固まってどうしていいかわからなかった。横に腰かけていた奥さんが助け舟を出してくれた。


メル「あらあら、ごめんなさいね、主人は服を着たがらないの・・・まぁなんとか『パンツだけは』穿かせることが出来たのだけど・・・」

マク「ふぅ・・・このスタイルが最も大自然を感じることが出来る・・・そう思うのだがな・・・君はどう思う?」
ウツロ「・・・」



マクラーレン様は魔法協会本部の廊下でも当然のように全裸で歩く・・・今では皆慣れてしまってなんの反応も示さない。



一部の魔女のファンの間では
「あれだけ美しいお体ならば・・・それは綺麗な服を着ているのと同義・・・何も間違っていないのではないでしょうか」と主張する者もいるらしい。
火魔女が「あれは変態じゃないですかね」なんて発言して大炎上したことは記憶に新しい。



魔法協会の規則にもこう記されている。
『魔法協会を全裸で徘徊してはならない。(マクラーレンを除く)』
名指し・・・


前にミラにもこう言われたっけ・・・
ミラ「・・・ウツロ先輩も・・・私の中では・・・全然負けてないです」
きゃーっと赤面しながら言うミラ
勝ちたくないから・・・つーか裸見せたことないだろうが



話は大きく逸れたが・・・
とにかく魔法の書はとても便利なものである。






テーブルに腰かけた彼は足を組み優雅に紅茶をたしなむ・・・長身で緑の長髪、キラキラと整った容姿と無駄のない筋肉・・・まるで石膏像みたいだ・・・そして、全裸


「やぁ・・・君がウツロ君か・・・そんなところで固まってないでこっちへ来なよ。」


彼が七賢人のマクラーレン様らしい・・・奇しくも彼が初めて会った七賢人だったのだが・・・
あれ・・・もうちょっとこうさ・・・なんて言えばいいんだろう・・・


マク「・・・ふーむ、大自然を肌で感じるにはこのスタイルが一番良いと思うのだが・・・君はどうだろうか?」


え?そうなの・・・
新人だったウツロはむしろ自分が間違っているのではと自分を疑いかけた・・・


「あなた、新人の子にそんなことを言っては駄目よ。戸惑っているじゃない・・・」