オリジナル小説

オリジナル小説



女性「これなんですが・・・」
医者が案内された先には、男性の石造が横たわっていた。
医師「ずいぶん、立派な石像ですね、さぞかし、名の売れた彫刻家の作品なのでは?」
女性「いえ、それが・・」



天使は、カフェのテラスで新聞を読んでいた。


【黒い怪物の目撃証言多数】
グラノール地方の麦の穀倉地帯では、謎の黒い動物が、麦を食い荒らすという被害が多数報告されており、現在調査中である。
地域の被害は深刻で、半ば飢餓村と化している状態だという。


【樹海で行方不明者多数発見】
自殺スポットとして知られる樹海で、行方不明者が多数発見されている。発見されたひとりは、気が付いたら森の中に倒れていたという、かなり衰弱している者もおり、現在当局は調査中である。


【議員の多数欠席】
○○町の議会では、議員多数欠席のため、議会自体が成り立たない状態が続いている。関係者は体調不良と説明しているが詳細は不明である。



天使「・・・・・・・マスター・・・コーヒーとパスタ大盛りで」



その町では、今、議員が次々襲われ、石に変えられるという奇妙な事件が起こっている。
正確には噂である。事実としては公表されていない。
議員が襲われた現場では、雄々しき黒い馬と黒い甲冑の騎士がなんども目撃されている。



キロ「はーなんかさびれた町だな、」


全員が疲れた顔をしているが、
なぜか、はしゃぐ若者の姿がちらほらと
若者「やっぱり、ハンバーグ将軍の英霊のおかげだよ」
若者「次々と議員失脚させてるんだ」
若者「因果応報だな、金と権力に溺れた罰だ」
似たようなことを話していた。




使い魔「あ、キロさん本に反応が!!!」



騎士道悪魔

正義と制裁の悪魔

自分こそが正義



キロ「ここで、なんとか職を見つけるんだ・・・」
使い魔「悪魔退治はどうするんですか」
キロ「悪魔退治なんてしても給料出ないじゃん、やる意味ないよ」
使い魔「全く自分の欲ばかりにまみれて、自分が良ければそれでいいんですか!」
キロ「・・・なんだろう、助けてほしいのはむしろ俺なんだけど・・」




この世に自分の利益以外で動く人間なんていない・・・それはキロが育った孤児院の教えだった。
それは寄付だけに頼ってきた従来の慣習からの脱却を意味するもので
崩壊寸前だった孤児院を立て直した現在の院長の第一方針だった。

自分の利益のために行動する・・・それが結果的に全体の幸福につながる、
そして、全体の幸福だけを願って個人を犠牲にするような行動は人を虐げるための方便であるとキロは教え込まれていた。




使い魔「ご主人との契約破棄で自由になるために、一刻も早く、悪魔を退治すべきです。」
キロ「お前も自分のためじゃん」



回想
天使はこそこそ逃げようとする使い魔を踏んづけた。
使い魔「ぎゃあ」
天使「ちょっとそこの下級悪魔・・・まあ、いいわ。滅されたくなければ、協力なさい・・・」
使い魔「いやぁ・・これでも私は、忙しいというか、スケジュール詰まっているんですよね・・はは」
天使「封印を解かれた12匹すべて退治できたら開放してあげる」




使い魔「そういって、無理やり契約を・・・」
キロ「へーお前も大変なんだな・・・」
キロは顔が青ざめた。



つづく



そうだ、前回、天使に出番なかったけど
樹海を彷徨ってたってことにしておこう。