新キロと13匹の悪魔

オリジナル小説案



新キロと13匹の悪魔


でやりたい、キロとアーシェのシーン
キロは夢でうなされているところでアーシェの心が痛む


キロの寿命が元に戻った時
キロはアーシェに抱き着いて泣いてしまう。
キロ「俺・・・もう生きる意味なんてないって思ってた。もう死んでもいいって思ってた。でもこうして助かってみると嬉しい。明日もまた生きることができて嬉しい。ありがとな」

アーシェは一瞬顔が赤くなるが、
すぐに優しい顔になって、涙が止まらなくなる。
アーシェ(どうして、泣いてるんだろう・・・お父さんは私の戦果を喜んでくれなかったんだ・・・私は悲しかった・・・キロは喜んでくれている。私は嬉しい。キロの役に立てて嬉しい。)


翌日、
アーシェとどうかかわったらいいかわからなくなるキロ
もうアーシェは自由だ。もうここで俺に罪滅ぼしする必要なんてない。







アーシェは人づきあいが苦手な性分だったので友人はたったひとりしかいなかった。
アーシェの身の回りの世話をしてくれた若い召使、アマナ



アマナ「アーシェは恋ってしたことある?」
アーシェ「ないわ」
アマナ「本当にきっぱりと言うのねぇ」




アマナはあるパーティーカルデラバルサ国境近くの若い領主の跡取りとの婚約が決まった。
だが、両親は反対して、別の嫁を嫁がせることになった。
アーシェ「アマナ、どうして泣いてるの」
アマナ「大丈夫、大丈夫なんでもないから」

アーシェはアマナの手紙を見た。
そして激怒した。
別の婚約者に会いに行く跡取りの馬車を襲撃して剣を突きつけた。
跡取りは腰を抜かしてその場にひれ伏した。

そのことは大きな問題になったが、
デシベル王はアーシェの味方をした。


結局、アマナは跡取りと結婚して領主の妻となるのだが、
もう金輪際アーシェと会うことは禁じられた。

アーシェが最後にこっそりアマナに会いに行ったとき
アマナはアーシェに抱き着いて涙を流した。
アマナ「ありがとう。ありがとう。アーシェ」
アーシェ「でも・・・私は、あなたの愛する人にひどいことを・・・」


アマナ「決めた!いつかアーシェに好きな人ができたら絶対に応援する。いつでも相談に来て。結婚式だって私が盛大に開いてあげる。絶対、絶対、約束だからね」




100年後、



再びこの地に足を踏み入れたアーシェ
アーシェ(もうここに来ることなんてないって思っていたけど・・・)

街は活気に満ち溢れていた。
なんでも領主さまが頼れる人物だからだそうだ。

そして、アーシェは呼び止められた。
街のひと曰く、「銀色の女性が現れた時には必ず領主の家に通すようにだそうだ。」



領主の家に着いてアーシェを見た30代の美人な女性は
アーシェを見て抱き着いた。
ミホナ「あはは、いきなりごめんなさい、あなたがあんまり家に伝わる伝説の騎士アーシェ様の容姿にそっくりだったから、つい」


ごちそうを振舞ってもらって
キロはひとりごろごろしていた。
使い魔「なんか元気ないですね」
キロ「アーシェは有名人だもんな、なんでもできるし、俺とは住む世界が違うんだ・・・」
使い魔「何をぶつぶつ言っているんです?」


アーシェはミホナとその母親と会話していた。
大ばあ様のアマナ様はそりゃあすごい人だった。この僻地をどんどん人が住みやすいように改革して・・・
この地には、いろいろな風習が残ってる。
銀色の髪の女性を見かけたら必ず領主の家に通してもてなすことだってそう


アマナ様は暇さえあればドレスをこしらえていたわ
こうでもない、ああでもない、
大切な友人に着せるんだから絶対に妥協はできないって
何着も何着も作るものだから、屋敷に置く場所がないってことになって売りに出したの
そしたら、すごい値段で売れて
今では、ドレスはこの地方の名産品になっているのよ


アーシェ「私は100年前に一度死んでる。」
ミホナ「その時、大おばあ様はあらゆる手段を使って、行方不明のあなたを探したけど結局見つからず・・・でも、信じてたみたい。幾多の死線を平気な顔で乗り越えてきたアーシェが死ぬわけがないってね」



ミホナ「そ・れ・で、キロ君だっけ、あの子ってアーシェちゃんの彼氏なの?」
ミホナはにやにやしながら話題を変えた。
アーシェ「・・・・うう、違うわ、キロは・・・一緒に旅をしてきただけで・・・」
ミホナ「照れない、照れない」

ミホナ「時間はたっぷりあるからゆっくり聞かせてよ。あなた達のこと」
アーシェは起こったことのすべてを話した。自分の想いもすべて

ミホナ「・・・じゃあ、もうアーシェちゃんがキロ君のことを好きになっても何の問題もないじゃない」
アーシェ「寿命が元に戻っただけ・・・私がキロから奪ったものは何も返せていないの」
アーシェ「私には資格がない。キロのこと初めは生贄にしようと思ってた。殺そうと思ってた。その事実は消えないの」


ミホナ(本当に聞いていた通りの人物だ。そっけなく見えてどこか頭が固くて頑固・・・)


ミホナ「よし、舞踏会を開きましょう。楽しい宴よ。」


次の日、
急遽開かれる宴に屋敷の人たちは大忙しだった。
ミホナはキロを探した。
部屋にいない、どこだ。
キロは使用人の手伝いをしていた。
その動作があまりに自然すぎてミホナは普通に見逃していたのだった。

ミホナ「キロ君、あなたに重要な任務を頼みたいのだけれど」
キロ「・・・お任せください。会場の警備は俺がやりますよ」
ミホナ「違うわ」
キロ(怖い)
ミホナ「あなたもパーティーに出席するのよ」
キロ「・・・ウェイターですか、一度やってみたかったんですよね」
ミホナ「違うわ」
キロ(怖い)



ミホナ「キロ君、あなたはとても謙虚で頑張り屋だけど、あなたには足りないものがある。」
キロ「俺に足りないもの?」
ミホナ「人の気持ちを汲むことよ。その人が今何を求めているのかあなたならわかるでしょう?それをしっかりと受け止めてあげることあなたにはその度胸が足りない」
キロ「人の気持ちを汲むこと・・・」




ミホナ「あなたもスーツを着て主賓として参加するのよ。さあ、セバスチャン」
「はい、なんでしょう。奥方様」
ミホナ「彼にマナーとダンスを今日中に叩き込んで頂戴」
「はい、かしこまりました」


セバスチャンの鬼のレッスンが終わりキロはへとへとになっていた。
メイドさんに体を洗われ、スーツを着せられてパーティー会場に放り込まれた。



煌びやかなパーティーにキロは眩暈がした。
人生でこんな場所に立ったことさえないのだから無理もない。
キロの仕事はいつも城の外で警備することなのだから


アーシェ「キロ・・・」
振り向いたキロは声を失った。
銀色のドレス姿のアーシェは今まで見たことがないくらい綺麗だった。
キロ「あ・・・アーシェ、綺麗、だな、そのドレス」
アーシェ「・・・キロのスーツ姿も素敵。」
アーシェの頬は少し赤くなって微笑んだ。


宴もたけなわ
舞踏会が始まった。
キロは不器用ながらもアーシェをエスコートした。
アーシェは最後にキロの手をつかんで空中で一回転してキロに抱き留めてもらうと
アクロバティックなダンスに会場から拍手が沸き起こった。



パーティーも終盤に差し掛かったころ
ミホナが二人を呼び出した。

ミホナ「中庭に大切な指輪を落としてしまったから二人で探してきてくれない?」
使い魔「なんかもう意図が見え見えで・・・」
ミホナは使い魔の口をおさえて脇に抱えた。


ミホナ「お願い、ね」


中庭にはたくさんのランプの明かりが灯って、明るかった。
アーシェはベンチにきらりと光るものを見つけた。
そこには指輪が置いてありその下にメモが挟まっていた。


『勇気を振り絞って! ミホナ』


アーシェはアマナの言葉を思い出した。
アマナ「決めた!いつかアーシェに好きな人ができたら絶対に応援する。いつでも相談に来て。結婚式だって私が盛大に開いてあげる。絶対、絶対、約束だからね」



アマナ・・・ありがとう・・・




アーシェ「キロ・・・ここでちょっと休も」
キロもベンチに腰かけた。



ミホナはのんびりとお茶を飲んでいた。
使い魔は向かいのテーブルにくくりつけられている。
使い魔「ほどいてくれませんかねぇ」
ミホナ「ふたりの邪魔しないって誓うなら・・・」




アーシェ「私、キロからたくさんの物を奪ったわ、・・・でも、キロの寿命が元に戻ったら、言おうって決めてたことがあるの」
キロ「・・・・」
アーシェ「・・・・」
アーシェはぐっとキロを見た。
そして
アーシェ「キロ、私は・・・」
キロ「待ってくれ・・・先に俺の話を聞いてくれ・・・」



キロ「アーシェ卿、命をお救い頂、感謝の極み。かなうならば臣下としてお仕えしたく存じます。」
アーシェ「・・・・・」
あれー?


聞き耳を立てていたミホナは呆れていた。
ミホナ「えっと・・・」
使い魔「本当にキロさんは人の気持ちが汲めない男ですねぇ」



アーシェを見た、少し怒っている顔をしている。
キロはアーシェの言いたいことも気持も察しはついているけど
身分も地位もない自分が言える最大限だった。


アーシェ「部下なら、上司の命令は絶対よね、キロ・・・私の髪を撫でて欲しい。」
キロは恐る恐るアーシェの髪にさわった。すごくきれいでさらさらだった。


キロ「・・・俺は男として最低だな」
アーシェ「ええ、最低」


キロは改めて自分の欲しかったものに気が付いた。キロは自分を必要としてくれる人が欲しかった。


キロ「アーシェ、・・・・俺と結婚して、夫として仕えさせてほしい。」
アーシェ「ありがとう、私を選んでくれて嬉しい。」


アーシェは真っ赤になりながらキロの胸に顔をうずめた。
キロの旅は人生は不幸なことも多かった。でも、それは今日の時間ですべて帳消しになる気がした。




こんな感じのラストにしたかったんですが、ちょっとハッピーEDすぎるかなぁ
次回作は『はたく』
黒子のバスケの黒子ばりの脇役主人公でいこうと思う。

キロと13匹の悪魔はしっかりとした文章に書きなおそうと思う。