新装版 キロと13匹の悪魔

新装版 キロと13匹の悪魔


第一章 大食い悪魔



カルデラの国・・・
その中心に位置するカルデラ城、そこから北に山のふもとには神殿があった。神殿の奥には壺が安置されており、かつてカルデラの国を混迷に貶めた力の強い12匹の悪魔が封じられていた。壺に封じた術者は100年で封印が解けると言い残しており、封印が解けぬように見張られていた。
しかし、年月が経つにつれ、悪魔はその存在すら伝説や伝承の中にしかいなくなった。いつしかこの神殿に訪れる者はいなくなった。

ちょうど100年目の日が来た。壺は粉々に砕け散り、12匹の悪魔は各地に散らばっていった。その事実を誰も知らない。



生きるためには仕事をしなければならない。
ならば仕事を首になった人間は生きる価値さえなくなるのだろうか・・・


キロは3日前にカルデラの城の警備兵の仕事を首になったばかりであった。
壊れた教会で途方にくれていた
天井はボロボロで今にも崩れそうな建物であった。




壁に垂れ下がったロープがキロを手招きしているように感じた。
もう生きる意味なんてないのかもしれない。




壊れた壁の隙間かた月明かりが差し込んだ。
キロは照らされた教会の檀上に誰かいることに気が付いた。
とてもこの世のものとは思えない銀色の髪の少女がこちらを見てる。


彼女はこちらへ近づいてきた。
キロの顔をじっと見つめている。
大きな透き通った目、三白眼が恐ろしく、キロは目を背けてしまった。



少女「どうか私を助けて。」



少女「逃げ出した悪魔は12匹・・彼らは人間のセカイに降り立ち・・秩序を乱す・・」


彼女は一瞬消えたかと思うと

キロの前に現れた。




「彼らを倒して・・・」


キロは少女の言葉の意味がよくわからなかった。
悪魔?そんなものはおとぎ話の中だけの存在だろうに