オリジナル小説
孝一はときどき3日ほど留守にすることがあった。
最初は少し心配もしたけれど、3日経てば必ずひょっこり帰ってきた。
そして日付が3日過ぎていることに驚くのだった。
彼の行く場所など壁以外にあるものか、
その日はどうしても彼に会う用事があったので
壁の広場へ行ってみた。
彼はうつむいて倒れていた。
どうやら寝ているようだった。
壁を殴った瞬間に眠気に襲われたのだろうか?
「壁をはたく行為は全身のエネルギーを消費するから」
とか言いそうだったので聞くのもめんどうだった。
ある時期を境にその失踪はなくなったのだが、
後に物理の先生が言った。
「作用反作用の法則とは・・・」
もしこんな作用があるならば、孝一の『はたく』が人体に与える影響って・・・