新キロと13匹の悪魔

新キロと13匹の悪魔


アーシェとお泊り



男女が同じ部屋で宿泊するイベント



容姿は子供っぽいと言われるけれど私はもう19歳。
100年前ならばもう結婚して夫や娘がいてもおかしくない歳なのだ。
おおよそ青春時代というものはカルデラ国のために戦争することに明け暮れた。
騎士団のエースの私はまわりの男達から一目置かれていた。
・・・・まあその分一歩ばかり距離を置かれていた気もするけれど


男と二人で旅をするなんてことあるはずもなく、そして、その意味がわからないほど子供でもない。




アーシェ「一泊、泊まりたいのだけど」




受付「はい、こちらがお部屋の鍵になります。」
受付はとてもやる気のなさそうな女の人だった。


渡された鍵はひとつ・・・
アーシェ「え・・・」
受付「?何か?」
アーシェ「いえ・・・・」
アーシェ(別々の部屋にして下さい。っていうのもよそよそしいし、普通のことよね・・・)



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部屋にはソファーとベットがひとつだけ
アーシェ「・・・え」


キロ「はー、ベットひとつしかないじゃん。部屋を替えてもらおう。」


アーシェはキロの服のすそをそっと握ってつぶやいた。
アーシェ「別々のベットにして下さい。っていうのもよそよそしいし、大丈夫じゃない?」



キロ(?!・・・何が大丈夫なんだよ。)



使い魔「私のベットもありませんし、替えてもらうほうが良いです。」
キロ(使い魔も数に入ってるのか?)




キロ「ベットはアーシェが使えよ。俺ごときはソファーで十分だ。」
キロはソファーに寝転んでフードをかぶった。
使い魔「じゃあわたしは、この椅子で我慢しますかねぇ」



アーシェ「・・・・・」
アーシェはしぶしぶベットに向かった。なんだか機嫌が悪そうだった。




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キロ(このまま寝てもいいけど、ちょっと軽い服装で寝るか・・・)
起き上がったら、アーシェも着替えの途中だった。
キロ「ぶー、おい、何着替えてるんだよ。俺は男だぞ」


アーシェ「・・・?・・・」




ふと過去の思い出が蘇る・・・

ファナ「じゃあ、こっちは女子用の着替えのテントだからお前らのぞくんじゃねぇぞ」
騎士団員「了解しました。」


直属騎士団員「まあ、騎士殿の着替えをのぞこうなんて誰も思わないですよね」
直属騎士団員「筋肉ゴリラと子供ですしね」


騎士団員から少しだけ笑いが起こった。
ファナ「は、いい度胸じゃねーか。おいこら今発言した奴、どいつだーーー」
ファナは騎士団員に大きな斧を振り上げた。

アーシェ(・・・・子供?・・・)
アーシェは、少し涙目になった。



アーシェ「・・・そうね、男の人の前で着替えてしまうなんて軽率だったわ」
キロ(なんでちょっと嬉しそうなんだこの子・・・)




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しばらくして
アーシェはキロの方を見た。




キロ(あーすっごい見られてる・・・しかも不機嫌そうだ。なんか機嫌損ねるようなことしたかなぁ)




アーシェ「キロは・・・もう少し自分に自信を持った方が良いわ。あなたはとても強い。」
キロ「剣術ばっかり強くても意味がない。」
アーシェ「100年前ならば、デシベル王直属騎士団に確実に選ばれていたわ」



ふとキロのトラウマが蘇る・・・
ミリア「キロの顔って・・」
ミリアはキロをまじまじと見た。
ミリア「そう、かっこいい」
キロ「・・・え、そうかな」


ミリア「100年前ならすごくモテた。そんな顔」
キロ「へーーー(今はどうなの?)」



使い魔「だ、そうですが、どうですか?100年前代表のご主人様」
アーシェ「・・・悪くないと思う。」



キロ「・・・なんだろう、ざっくりトラウマで心が抉られたところでもうそろそろ寝たいんだが・・・」



アーシェ「私が言いたかったのは・・・」


キロ「わかったよ。ベットを譲ったのは、俺ごときがベットを使う価値がないじゃなく、アーシェを気遣ってのことだった。これでいいか?」


アーシェ「・・・ありがとう。気を遣ってくれて」