新キロと13匹の悪魔

新キロと13匹の悪魔



朝・・・・



アーシェ「私、学校なんて行かないけれど・・・」
リーベル「え、ええええ、そんな、あんなにいい子だった、優等生だった妹が不登校に・・・」


アーシェ「だいたい、19歳の私が、学生の服を着るなんて、・・・恥ずかしいし。」
リーベル「大丈夫よ。全く違和感がないわ」
アーシェ(どういう意味)


キロ「いいじゃないか。なんか楽しそうだったし、行って来れば、」
アーシェ(・・・)
アーシェは少し怒り気味の視線を向けた。


リーベル「ほら、キロ君だってアーシェの制服姿見たいって」


アーシェ「・・・そういうことなら」
キロ(やめろ、俺が制服趣味みたいじゃんか)



とにかく、その日は体調不良で欠席することが決まった。



マリンバーさんは警務部隊の事務所に軟禁されていた。
マリンバー「私をこんな場所に閉じ込めていていいのかね」
使い魔「どういう意味ですか?」
マリンバー「こんなわかりやすい場所で、という意味だ。仲間が私を救出来るかもしれないぞ?」


使い魔「救出だけだったらいいですねぇ」
マリンバー「どういう意味かね?」



使い魔「あなたは任務失敗したんです。たくさん情報も持っていそうですし、口を割る前に始末するって良くある話じゃないですか?」
マリンバー「ははは、小説などでよくある展開だ。」


使い魔はマリンバーの顔が青くなるのを見た。


使い魔「今のあなたは釣り針のえさです。あなたを殺しに来た奴を芋づる式に捕縛していくと神剣アーシェことご主人がおっしゃっていました。」


使い魔「ああ、しかし、あなたが今持っている情報をすべて渡せば、誰も知らない場所に監禁してあげましょうとおっしゃっていましたが、いかがいたしましょうか?」
マリンバー「はは、参ったなぁ」



・・・・・・・・



使い魔「実際、自害しようとしたあの男に尋問してもおそらく時間の無駄でしょうね。」
キロ「だから、えさにすると?」
アーシェ「おそらく、それも望み薄」



キロ「?」




アーシェ「白い剣は悪魔の能力をすべて無効化する。その事実を向こうは知っているみたいだから、当然負けた時のリスクは考えているでしょ?だから、あの先生は捨て駒だったと考えてる。私だったら重要戦力は未知数の強い敵にぶつけない。」



キロ「アーシェって」
アーシェ「・・・・何?」
キロ「頭いいんだな」
アーシェ(暗にもっと野蛮な性格とか思ってたとかいう意味かしら?)


使い魔「確かに妙な話ですね。この国の当主の記憶すら改ざんできていたカードをここで使い捨ててしまうなんて・・」





キロ「まあとにかく・・・アーシェ、もう独断先行するなよ。」

アーシェ「・・・・わかったわ。キロの言う通りにする。」
アーシェは窘められて、悔しいような嬉しいような複雑な顔をした。