はたく

はたく



母にすごく怒られる回




【大海さん転校後】

母は思う
そういえば最近、大海ちゃんの姿を見かけなくなったなと
孝一にさりげなく聞いてみると


「大海なら、となり街に引っ越すとかで転校したな・・・しばらく会ってない。」
とさっぱりとした口調で答えた。



母「・・・孝一、ちょっとここに座りなさい。」



孝一「?」
母「・・・」




母「・・・今日ほどあなたに失望した日はありません。」



孝一(・・・え、いきなりどうしたの?)




母「・・・・」
孝一「・・・・」




母「・・・大海ちゃんは可愛い子よね・・・」
孝一「・・・まあ、・・・そうだな・・・」

・・・・なんだこの年頃男子とは思えない、あっけらかんとした反応
・・・やっぱり壁を殴りすぎておかしくなってしまったのだろうか



母「・・・・」
孝一「・・・・」



母「・・・さて、晩御飯を作らなくちゃ」
孝一「・・・今日のおかず何?」

母は考えるのをやめた。








異世界召喚1回目の後】



今日は遅めの晩御飯だった。
孝一は今日の珍しい実体験を母に話した。



母「・・・・」
孝一「・・・・」



母「その話だけど・・・その子は『大海ちゃんに』似ていたのね。」
孝一「え・・・まあ、似てたけど。」



白昼夢でも何でも孝一が大海ちゃんを夢に見るなんていい傾向だ・・・



母「・・・そう。正直、私はもう諦めかけていた・・・でも、今の話で、希望の光が見えたわ。」
孝一(・・・今の話のどのあたりに希望の光を見たんだろう?)
でも、母が嬉しそうだったので、特に追求しないでおいた。








【高校入学後、大海さんが家に晩御飯を食べに来たとき】


母は大海さんに抱き付く

母「大海ちゃん・・・私もう駄目かと思ってたけど、本当に良かった。」
大海(何を駄目だと思っていたんだろう?)