はたく オーク、道に迷う


はたく オーク、道に迷う





分からなくなったんだ・・・どう進むのが・・・正しいのか





オークは森の中を彷徨っていた。
白い霧はさらに濃くなる・・・



音が聞こえる・・・ゴブリンの足音だろうか
次いで馬車の音も聞こえた。

オークは直観した。ゴブリン連中が馬車を襲撃しようとしていると



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オークが現場に到着した時、すでに襲撃は始まっていた。
馬車から奪われる荷物、怯える行商人


オーク『・・・お前ら・・・やめろ』


ゴブリンはオークの存在に驚くが、略奪の手を緩めない。


オーク『やめろ』
オークはどんと棍棒を地面に打ち付けて威嚇する。
誰もオークに耳を貸さない。何をおかしなことを言っているんだろうという目でオークを見るだけだった。



空気が変わる。カチリという金属音と共に一体のゴブリンが斬撃を受けて倒れる。
2体、3体と倒されていく。


オークはまた、人ならざるモノを見た。
鋭い眼にショットカットの少女が見たこともない剣を鋭く振り回す。



『・・・あれは・・・カザキリだ・・・』
『逃げろ・・・』
『一刻も早く逃げるんだ・・・』



ゴブリンたちは雲の子を散らすように退散していった。


風切はオークに視線を向けた。
オークは息を飲む。状況的に考えて自分も斬られる対象だと感じ、武器を握りしめた。

風切はふとため息をついて刀を鞘に納めた。
風切「・・・あんた・・・馬車の人を助けようとしているように見えた・・・」
オークは敵意がないのを察してか緊張を解く。風切は言葉を続ける。




風切「だから・・・アドバイスしてあげる・・・あんたの正義じゃ・・・誰も救えない。」




オークは眉をひそめる。
彼女の言葉は理解できないが、言われていることに察しはついた。自分が中途半端だと言われているのだろう。



オークはすごすごと退散した。また、霧の中を彷徨い続ける。
今日の霧は晴れる見込みがなさそうだ。