ウツロ 獣人の不意打ちは・・・
さて、今後ろに獣人が潜んでいるわけだが・・・
どうやって攻撃してくるか?
やられて困る攻撃方法は『弓』と『魔法』だが・・・
『弓』で攻撃されることはないと考えていい・・・獣人の爪はとても鋭く、弦を引く時に弦を切ってしまうからだ。行商人時代に会った獣人のお婆さんが「弓を使えるなんて人間さんは器用でスゴイなー」って言ってたし
『魔法』はもっとありえない・・・魔力をたくさん持って魔法を使える獣人がいないわけではないが、今この場所には絶対いないと断言できる。もし魔力があるならば「獣人帝国」の身分の高い位置にいるだろうからな・・・今の時代 魔力 は『絶対的な価値』なんだよ(涙)
というわけで十中八九『ナイフか爪で近接攻撃してくる』だろう・・・
予測が少し雑過ぎるか?それでは命を賭ける確証にはならないか?
・・・
戦いに100%はない・・・ここまでの情報で自分の命を賭けられないチキンだったら・・・きっと俺に先はない・・・
心臓の音がバクバクいっているのが聞こえる・・・
草を踏んで、風を切る音・・・獣人がこっちへ向かってくる・・・よーく引き付けて・・・風切りを・・・
「!」
ウツロが放った 風切り は 寸でのところで 回避された・・・
ウツロ「・・・」
ちっ・・・あの土壇場で回避できるのかよ・・・不意打ちでも攻撃面積の少ない魔法だったら余裕で回避する運動性能の高さは流石に獣人だった・・・
「おっと・・・危なかったな・・・」
若い男の獣人はへへへと笑っている・・・なんというかチャラい感じだ・・・
ウツロ「・・・」
ウツロは剣を地面に突き刺す・・・
獣人「・・・おっと何か魔法か?」
身構える獣人
ウツロ「・・・」
獣人「・・・」
ウツロ「なんちゃって・・・そんな魔法は使えないけどな・・・あれでビビるとか・・・余程 魔法が怖いんだな・・・」
獣人「・・・はぁ?・・・ビビッてねーしッ・・・なめんじゃねーよッ!!!」
獣人は怒って飛びかかる。
(奴は剣から手を離してる・・・今どんな魔法使ってきても発動前に仕留めてやるぜ・・・)
ウツロは・・・獣人の腕を掴んで・・・ぐるんと回して・・・締め上げる。
(は?・・・関節技?・・・油断した・・・)
ギリギリと獣人を締め上げる・・・
獣人「痛い痛い・・・ギブギブ!!!・・・まさか魔法協会に関節技を使える奴がいるなんて・・・」
カルロに習った関節技
技としては未熟もいいところだけど・・・
今ここでの価値は高かったな・・・
ゴキュ・・・
獣人「ひぎゃああああ」
あ、やりすぎた・・・