『その日の黒峰』
その日の男子サッカー部は西校で練習試合だった。
結果は惨敗、はは・・・西校は強いエースがいるから仕方ないよなぁ・・・
ふと横のテニスコートが目に入る。
「お、あれはたしか・・・同じクラスの・・・黒峰・・・だったか・・・」
ほぼ冷やかし目的で試合をのぞきに行く。
へぇ・・・予選の決勝戦なんだな・・・
おおぉ・・・
周囲がどよめく・・・
ゆるく落ちるボールに黒峰がダイビングキャッチで飛びついた・・・
あいつコートの土で泥だらけじゃんか、はは・・・みっともない
試合は続く。
相手のスマッシュ・・・これはもう駄目だろ・・・
おお・・・取りやがった
・・・!!
・・・!!!!
・・・うぉおおおやっべ
・・・・・そこだーいけっけえええええ
$$$
翌日、
黒峰は机に伏してしんどそうにしていた。
男子サッカー部の数名が黒峰に駆け寄る。
「黒峰ッ・・・お前・・・昨日の試合見たぜ・・・おま・・・おま・・・テニス弱いって言ってたのに強ぇえじゃんかよー」
「・・・ああ・・そう」
黒峰の表情は堅いままだった。
そういうのもクールでカッコいいなぁおい
その賞賛は嬉しいものだが・・・
(痛い、痛い、痛い)
それ以上に筋肉痛でそれどころではない黒峰だった。