【行商人編】ゼフは匂いの特定に自信が持てない

【行商人編】ゼフは匂いの特定に自信が持てない




騎士国・・・騎士国・・・





この国はその昔この近辺を荒らしまわっていた『大盗賊団』だった。母体が大きくなりすぎたため国になったが、盗賊は体裁が悪いということで、ブランドイメージの高い『騎士国』と改名した。・・・今でも彼らのことを『蛮族』と陰口をたたく者は少なくない。

カルロ「何が、違反だ・・・元盗賊の蛮族集団めー」

一度、行商団の荷物を『規約違反物』として没収されたことがあるカルロもその一人だった。
・・・何を運んでたんだろ?




$$$




ここは騎士国 国境近く・・・




行商団と騎士国の遠征部隊がにらみ合う・・・
親方と隊長らしき男、代表同士話し合いがおこなわれていた。




どうやら向こうは、それほど敵対的でなさそうだった・・・





ウツロは騎士国の部隊をじーっと眺めていた。





くんかくんか・・・・





ウツロ「!?」
背後に誰かいることに気づく。
女の子の獣人がこちらに鼻先を近づけて匂いを嗅いでいる・・・

ウツロが振り向くと さっと後ろに跳んで距離をとる。

背の低い騎士と何か話している。


ゼフ「多分・・・あの子だと・・・思う・・・」



「本当か?」
周囲の騎士達がざわめく・・・
「・・・」
「・・・」


「・・・ほんとう・・・か?」



疑わしい目を向けられるウツロ・・・



・・・



ゼフ「・・・あの・・・もう一度・・・嗅がせて下さい・・・」
もじもじと上目遣いにこちらを見る獣人の女の子


え、ナニコレ・・・どうすればいいの・・・(混乱中)
ああ、こんなことなら普段からもう少し身ぎれいにしておけばよかった・・・



嗅いだ後、さらに頭を抱えるゼフ・・・
(可能性は半々かな?・・・わからない・・・匂いの種類はそっくりだけど・・・だけど)





「匂いが・・・ひどく薄い・・・」





ウツロ「・・・」
ウツロはなんだがショックを受けた。
勝手に嗅がれて・・・女の子からひどいことを言われているんだが・・・




ゼフ(その子が実力を隠している場合も考えられるけど・・・まったくの別人という可能性もなくはないし・・・あわわわ)




「・・・いや・・・ゼフ・・・問題ない・・・」




くくく・・・と笑いながら背の低い騎士は剣を抜く。
(簡単なことだ・・・そいつが睡眠盗賊団のイビキを倒したなら・・・そいつは『強い』って事だろ?)




「そこのお前・・・剣を抜け・・・私と決闘だ」




バンリは剣をウツロに向ける。
彼女の目はギラギラと猛っていた・・・






一触即発の状態、空気がピリピリと張りつめる。


ヴァルムハイル


カルロ(親方!確認してきたけど、今はヤバそうな荷物、載せてないよ・・・)
ウツロ(『ヤバそうな荷物』って何だろ・・・)






いや、あの、そういうことはもう少し身ぎれいにしてから・・・



カルロはピリピリしていた。



一度、行商団の荷物を『規約違反物』として没収されたことがあるかららしい。
カルロ「何が、違反だ・・・元盗賊の蛮族集団めー・・・」


ウツロ(・・・何を運んでたんだろ?)



ウツロも一応戦力のひとりではあるので、剣で武装して有事の際に備える。
(暇だな・・・)



くんかくんか・・・・



カルロはピリピリしていた、
ここは騎士国の国境沿い

元はこの近辺を荒らしまわっていた大盗賊団で母体が大きくなりすぎたため国になった。
盗賊というのも体裁が悪いということで、周囲に良いイメージを与える『騎士国』と改名したらしい。
周辺の行商団から『国の規則違反』と言って荷物を没収された経験から
カルロは彼らの事を裏で「やっぱりあいつらは蛮族だね」と陰口を叩いていたのを聞いたことがある。



可能性は・・・半々かな?・・・わからない・・・
匂いの種類はそっくりだけど・・・
匂いが・・・ひどく薄い・・・




男として傷つくな・・・そのセリフ




こいつ匂いが薄そうだもんな・・・ははは

なんだとぉ