ケーリーさん 悩む
小さい頃
アクアローナ様の活躍する本を買ってもらって夢中で読んだ。
「わたし、あくあろーなさま みたいになりたい!」
「まぁ ケーリー それはとっても立派な 素晴らしい目標だわ・・・」
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今日は本部へ出張した。
久しぶりに魔法学校の同期と夕食を食べる機会があった。女子会なんて呼ぶらしいけど・・・
「ケーリー・・・経理なんてつまらない部署やめてさ、こっちの魔法の書の部署に移って来なよ。今ヒトが足りなくってさ、優秀なケーリーなら今すぐでも受け入れOKだよ?」
ケーリー「うーん、それもいいかな・・・」
「気のない返事ねぇ・・・つれないわ」
「ははーん・・・まさか、同じ支部に好きなヒトでもいるとか?」
ケーリー「は?・・・いるわけがないでしょう。」
(なぜ怒り気味?)
ケーリー「魔法の書の部署でもいいけど・・・マクラーレン様が・・・ちょっとねぇ」
「私の中ではそれもプラス要素なんだけど・・・」
※彼女はマクラーレン様ファン
「もしかして、ミラの面倒をみなきゃってまだ思ってる?」
ケーリー「・・・」
「娘のためとは、お母さんは大変ねぇ」
ケーリー(あんな娘は嫌だけども・・・)
「最近は周囲で浮くこともなくなったし、上手くやれていると思うよ。いつからだったかな?そう、北支部に研修に行ったあとあたり・・・」
ケーリー「・・・」
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本部の宿舎に向かいながら、夜空の星を見上げる。
息も白い・・・寒いな・・・
ふとイズナの涙を思い出す・・・
魔力8の私は・・・
仕方なかったんだ・・・魔力がないから・・・
何を迷っているんだろう・・・何にすがっているんだろう・・・わからない・・・
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あの日の後悔・・・
野宿の日からウツロ先輩の様子がおかしい・・・
私と目を合わせようとしないし、訳を聞いてもはぐらかすばかり。
ミラ「私・・・また何かやらかしてしまっただろうか・・・」
ケーリー「まだ、生きているし、問題ないでしょう?」
ミラ「その基準おかしいよ。」
うーん、状況から察するにミラがウツロさんを傷つけるとは考え辛い・・・するとその逆・・・
まさか、キスでもされてセクハラじゃないかなんて真剣に悩んでいるわけでもないでしょうし・・・
ウツロは下宿で真剣に悩む。
あれは、俺の過失だ・・・
あのあとなんとかミラを縛って事なきを得たけれど・・・
よくよく冷静に考えたら、後輩の魔女と二人っきりの時にお酒を飲ませようとするって行為がもうNGだよ・・・
ミラ「・・・あの・・・ウツロ先輩・・・私・・・先輩にひどいことをしてしまったんでしょうか?・・・」
記憶ないのかよ・・・
あの経験は・・・むしろ喜ぶところなんだろうか・・・
『先輩の初めてを下さい発言』がややショックだっただろうか・・・それをショックと言ってしまうのは恥の上塗りだな・・・
ウツロ「・・・まあ・・・あれだ・・・生きているし・・・問題ない。」
ミラ「・・・」
ウツロ「・・・」
ミラ「む・・・先輩までそんなことを・・・どうせ私は爆弾ミラですよ・・・」
ミラはふくれっ面でむくれている。
ウツロは緊張の糸が切れた気がして長いため息を吐いた。
なんとか丸く済みそうで良かったと安堵するウツロだった。
「もしかして、ミラの面倒をみなきゃってまだ思ってる?」
「・・・」
「娘のためとは、お母さんは大変ねぇ」
(あんな娘は嫌だけども・・・)
「最近は周囲で浮くこともなくなったし、上手くやれていると思うよ。いつからだったかな?そう、北支部に研修に行ったあとあたり・・・」
ケーリー「・・・」
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