【月江さん編】月江君恵について


【月江さん編】月江君恵について


俺は三島翔平だ。
月江君恵とは幼稚園からの幼馴染だ。


月江君恵はきつめ美人だった。


周りに対して少々トゲトゲしい態度をとることが多い。
精一杯虚勢を張らないと生きづらいのだろう。



俺は背が高くイケメンだった、君恵も美人だ。自慢ではないが、周りからそう評価されるのは確かなようだった。異性関係の質問を受けた時の君恵の答えはいつも決まって



「好きなヒトとかガキじゃあるまいし・・・くだらない。」



と発言する。俺はそんな彼女に苦笑する。
高校も同じ、また同じクラスになった。


君恵はいつも同じ調子だった・・・




ある日の放課後のことだった。
夕日に染まる教室に二人きり・・・


ついに告白か・・・苦節何年だろう・・・長かったな・・・



月江「翔平・・・馬鹿にしないで聞いてほしい・・・実は私・・・前々から『気になるヒト』がいるんだ・・・」



ん?・・・また変化球な告白だな・・・



月江「はっきり言うのも恥ずかしいんだけど・・・名前のどちらかの・・・イニシャルが・・・M・・・その・・・できたら仲良くなるのを手伝って欲しくて・・・」



なん・・・だと・・・俺の他に好きな奴がいる・・・だと・・・そんな素振り全くなかった気がするが・・・



M・・・M・・・誰だ・・・誰だ・・・



誰だ?このクラスで・・・
豆太・・・いや・・・あいつはあり得ないな・・・
※失礼



じゃあ・・・考えられるのは・・・ひとつ・・・



みしま・・・



俺のことか・・・クラスで俺ぐらいしか考えられないもんな・・・
なんだ・・・なんだ・・・安心した・・・ふー取り乱しそうになったぜ



そんな遠回しの告白・・・君恵らしい・・・










それが俺の『早とちり』だとわかるのはすぐあとだった・・・






月江さんの視線を感じるんだが・・・やべえどうしよう、水上・・・

知らんけど・・・


ほら、今だって絶対こっち見てたぜ?







豆太(まめた)俺の事かよ・・・みんな悪いな・・・はは


(こんなひとクラスにいたっけ?)







まさか・・・君恵の好きなヒトって・・・