オリジナル小説

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使い魔(あれ・・・キロさん・・・なんか様子がおかしいですね。・・・思いっきり悪魔の影響受けてますね。・・私は悪魔なので影響受けないですけど)





キロ(・・・俺は・・・ダメだ・・・生きている価値がない・・・疲れた・・・)
キロは寒さに震えるようにその場に倒れこんだ。
使い魔「しっかり、してくださいよ」
使い魔が頬をぺちぺち叩いたが反応がない。


何かがキロの足に絡みついている。黒い手のようなものだった。黒い手は何本も伸びてきて、キロに絡みつき、彼の体を森のより深くへと、ゆっくり引きずっていく・・・
声がかすかに聞こえた
「・・・わたしと・・同じ・・・・あなたも・・おなじ・・・・」






キロ(・・・・もう疲れた・・・・なんで・・・こんなことしてたんだっけ?・・・どうしてこの森に来たんだっけ?・・・)






そのとき、昨晩のおばさんの料理が脳裏に浮かんだ。
「こんなものしか出せないけど・・・」
「どうして、俺なんかに・・」
「勝手なお願いかもしれないけど・・・もし娘を見かけたら・・・また、ここを通るときに教えて欲しいんだ」
「娘さんは・・・」
キロは言いかけた言葉を飲み込んだ。
おばさんは疲れた笑顔でこういった。
「・・・・それでも、あきらめきれないんだ・・・・」





キロは無心で剣を黒い手に付き立てていた。
森全体が震えるような、高い叫び声がこだまする。
黒い手がキロの首を絞めて殺そうとする。キロはその手に剣を突き立てる。
「痛い、痛いよぉおおおおおおおおおおおおお」
無数の手がつめを立てて殺気立つ。
キロは剣を構えなおした。

「俺も・・・まだあきらめてないんだ。」





魔力を抜かれた悪魔は、
柳の木のような人形で、そそくさと逃げていった。
森には少し光が射したような気がしたが、気のせいかもしれない。




その日の夕刻、娘さんは森の入り口付近で発見される。母親と娘は人目もはばからずわんわん泣いたそうだ。




キロは樹海からぬけられずに迷っていた。
キロ「なあ、ここで死んだらどうなる?」
使い魔「白骨化して、土に戻るだけですよ」
キロ「そうだな」


キロは歩く、
森はどの方向も暗い道が続いている
キロ「ああ、どっちに行っても、真っ暗闇だな。」
使い魔「まるで、あなたの人生を暗示しているかのような」
キロ「そんなこと言うのはやめろ」