オリジナル小説

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霧が深くなってきた。
キロと使い魔は、
ひたすらに天使の指す方向に進んでいた。



キロ「悪魔を倒したら、おばあさん、生き返るかな?」
使い魔「生き返らせたいんですか?会って間もない人間、自分とさして関わりのない人間ですよ?」
キロ「嫌な言い方だな・・・人間だったら、誰だって人が死ぬのは嫌なんだよ。まあ、悪魔のあんたには分からないかもしれないけど」
使い魔「・・・そうですね。わかりません。」


キロ「飯をごちそうになったからな。一食一飯の恩義ってやつさ」
使い魔(ご飯くれたら、なんでもいいんですね)



霧がどんどん深くなってあたりは真っ白であった。




使い魔「!キロさ・・・」


キロ「・・・・使い魔?」
一瞬目を離した隙に使い魔がいなくなってしまった。




キロ(はぐれたかな?)



剣を手放しては駄目という天使の言葉を信じ、剣をしっかり握りながら進んだ。
キロ(悪魔の本拠地、悪魔の本拠地・・・)







「あら、めずらしい。こんなところに旅人さんが・・・」





キロ「!?」


霧が晴れてきて、広い場所にでたところで人に出会った。
見たところ30代くらいの教会のシスターさんのようだった。



「ふふふ、それにしても、すごい汗ですね。まるで、今から戦場に赴く兵士のような・・・」
キロ「・・・・え、えっと、こ、これは、なんというか・・・」
急に自分がとてもおかしなことをしていたような気がして、恥ずかしさのあまりキロはしどろもどろになった。



シスターさん「道に迷われたとか?」
キロ「あーそう、そうなんです。もう人生という迷路に迷いこんでしまって、ははは」


シスターさん「それは、御可哀想に、お疲れでしょう?村はすぐそこです。休んでいかれては?」
キロ「え、いいんですか、有難うございます。」



キロ(いい人だな!なんて親切なんだろう。。どこかの悪魔とか天使とは大違いだ。)