オリジナル小説

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運ばれてきた急患は、斧が頭に刺さっていた。
キロ「!!!」
「こいつ、木を切るときに手を滑らせて・・・」



「ひいいいい」
おばさんは、あまりのショッキングな映像に気絶してしまった。
キロ「え、あの、先生、大丈夫ですか?」
倒れそうになったおばさんを受け止めた。


「そんな、ことより先生を呼んでくれ、」


先生?ということは、このおばさんは先生ではないのか?



「はーい」
奥から、声がした。
出てきたのは、真っ黒な衣装に身を包んだ、髪の長い女性、紫がかった黒い髪だった
とても、知的な大人の女性という感じだった。
彼女はこの世のものとは思えないほど美人であった。


・・・・


「・・・・これは、とても大変ね」

斧が刺さった人「先生、おれは助かるんだろうか?」

「・・・意識があるようね、血も止まりかけているし、
これはもしかしたら、斧は抜かずに
今後も体の一部にしたほうが良いかもしれないわね」


斧が刺さった人「そ・・・そんな」


「そうね、そしたら、あなたは明日から、
ゾンビ人間、妖怪人間などのあだ名をつけられて、
里の者から気味悪がられてしまうかもしれない
抜いたほうがいいわ、死んでしまうかもしれないけれど」


斧が刺さった人「え・・それはちょっと」


患者の言うことを遮って、先生と呼ばれる女性は、強引に斧を引き抜いた。
「えいさ」
斧が刺さった人「ぎゃあああああ・・・あれ?」


斧が刺さっていたはずの傷口は綺麗さっぱりなくなっていた。


「どういうことですか?」
「・・・きっと、斧の切れ味が良すぎて、
傷がくっついてしまったのね、本当にあなたは運がいいわ」


キロ「・・・」
彼の頭には確かに斧が刺さっていた・・・傷が一瞬で塞がったのだろう
アーシェはキロの肺の穴を塞ぎ、ギロチンで離れた首をくっつけた・・・
こんなことができるのは、悪魔しかいない
キロはそう直感した。



・・・・



「リコッテ、起きなさい、リコッテ」
おばさん「ああ、すみません、イデア先生、患者をみて気絶してしまいました。」
イデア先生「大丈夫よ、あなたは、本当に血を見るたびに気絶するのね」


イデア先生「で、こちらの方は?」
リコッテ「ああ、そうでした、健康診断をご希望だそうで・・」
イデア先生「そう、じゃあ診察室にどうぞ、キロ=エバンス君」


キロ(この人・・・名乗ってもない俺の名前を知ってる・・・)
キロの額からは冷や汗がにじみ出ていた。