オリジナル小説

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布に包んだ白い剣を脇に抱えながら尋ねた。
キロ「あの・・・先生は、・・・」


使い魔「あなた、悪魔ですね?」


キロ(・・・馬鹿!!)


イデア先生「・・・」
彼女の表情が強張った・・


使い魔は診療所から逃げ出した。
キロもいすを盾にしゃがみこんだ。


イデア先生「・・・クスクス、大丈夫よ何もしないわ。」



・・・・



キロは今までのいきさつをすべて話した。
彼女は、キロに危害を及ぼさないと言っていたし、
なんとなくそう感じたからであった。


キロ「イデア先生はどういう悪魔なんですか?」


イデア先生「・・・どういう悪魔だったかしら」
キロ「・・・・???」
イデア先生「私は、こう見えても、
もう何千年も前から悪魔として生きているわ、
何か目的もあった気がするし、そんな物はなかった気もする
ほとんど過去のことは断片的にしか覚えていないわ
その過程で、色々な能力や魔術を使えるようになったし、
さっきの治癒魔術だってそのひとつよ」


キロ(・・・さっきの治癒魔術だったんだ、手品っぽかったけど)


イデア先生「長く生きている分、たくさんのことを知っているわ、
さっきのお話から推察するに聞きたいことがたくさんあるんじゃないかしら?」



キロ「・・・じゃあ、まず、一番聞きたいことから・・・俺の体はどうなるんですか?」



イデア「おそらく・・・私の知見では、魔力に体が負けて、1年で死んでしまうと考えているわ」

キロ「・・・・」

イデア「ああっと、そんなこの世の終わりみたいな顔しないで、」


他にも色々なことを話した。


イデア「さあ、湿っぽい話はここまでにして、飲みましょう」
キロ「え・・・」
イデア「リコッテ、お客様に料理を」

リコッテ「え、あ、はい」
リコッテさんはうとうとしていることろを起こされた。


イデア「さあさあ、飲んですべて忘れてしまいましょう」
キロ(忘れちゃダメな気がするけど・・・)


・・・・・



イデアさんは今まで見た誰よりも酒豪であった。
キロ(・・・ワイン樽一個なくなった・・・)

使い魔「私も、酒豪で知られていましたが、あなたにはかないませんね」

キロ(そうなの?・・・)



イデア「さっきは、
自分は何の悪魔か忘れたっていったけど、何となくは覚えているの
きっと私は、長生きしたいって思ったの
何千年も昔、私の村は疫病で全滅しかかった。私も死にそうだったけど
死の間際に祈ったの、『もっと生きたいって』
そして、私は、何千年も生き続けてるってわけ」



使い魔「しっかり、覚えてるじゃないですか」
キロ(ツッコんだ)



・・・・・



イデア「ハインベルンに行きなさい」
キロ「?」
イデア「ここから、大分西に行ったところにあるインバースの主要都市よ。
あそこは、過去に悪魔の信仰があった土地だから、
何かあなたが死なない手がかりが得られるかもしれない。」