はたく
真田道場を掃除する話
怒った大海さんには逆らえない・・・
ユズハ師匠に禁止されていたのに道場に何度も来ていたことをうっかりしゃべってしまった。
本日二人は道場に来ていた。
大海さんはたいそうお怒りで、ゴミをみるような冷たい目で孝一のことを見下ろした。
ユズハ師匠を見送ったあとのこと
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大海さん「ユズハ師匠は封鎖って言っているけど、たまに道場の掃除でもしない?」
孝一「まあ、素直に行かないほうがいいんじゃないか。」
大海「・・・・・」
孝一は壁を殴りたいだけなので適当に流したつもりだった。
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大海さん「って言っていたのに、自分だけ抜け駆けしたんだ・・・」
孝一「・・・そんなに掃除したかったのか?」
大海「・・・・」
大海さんの目がさらに鋭くなった。
孝一「ごめんなさい」
・・・・ここに居て、刀を持った奴が来た。
暗殺家業の者だって言っていた。ユズハ師匠を探していた。
やっぱり大海がここにいるのは危険かもしれない・・・・師匠も巻き込まないために姿をくらましたんだ。でも、そんな事実を伝えたら、「どうにかしたい」って言いかねないし、ここはきっちり言わないと
孝一「・・・大海!」
大海さん「・・・?」
1時間道場を掃除して道場は見違えるようにピカピカになった。
大海「ふー、こんなものかなぁ」
孝一(違う。早くここは危険だと伝えないと・・・)
孝一「・・・大海!」
大海さん「・・・あ、そうだお弁当作ってきたんだけど食べる?・・・今日は魚を焼いてきたんだ。」
魚はおいしかった・・・
孝一(・・・・あれ?何か言いたいことがあったんだけど・・・何だっけ?)
大海「・・・水上君・・・私ここでユズハ師匠の帰りを待ちたいの」
孝一「・・・」
大海「・・・だから、たまに掃除をして、稽古もしたい。」
それは危険な目にあっても待ちたいという覚悟に見えた。
孝一「・・・・まあ、俺も付き合うよ。ユズハ師匠には、まだまだ色々教えてほしかったし・・・」
大海「・・・うん」