はたく 異世界蹂躙編 感極まって・・・


はたく 異世界蹂躙編 感極まって・・・





魔法学校戦場にて・・・





正教会の騎士団は次々と敗走していた。
『逃げろ!!カザキリが来るぞ!!』
『逃げろ!!』
『逃げろ!!』

何名かの兵士が・・・逆方向に歩いていく・・・
『おい・・・何してるんだ・・・』


『・・・俺は行く・・・』
『はあ?何言ってるんだよ?』


『・・・隠してたけど・・・俺は『カザキリ』のファンなんだ・・・』
『俺も』
『俺もだ』


『はあ?・・・だからって・・・そっちに行ったら・・・斬られるんだぞ?』

『馬鹿野郎!!他の奴は斬られたのに・・・俺は斬られていない・・・なんか悔しいじゃんかよぉ』
『そうだ!!』
『そうだ!!』

・・・翌日彼らは幸せそうに気絶しているところを回収された。





熊は、騎士団員を次々投げ飛ばしていた。

熊「おらおら!!!骨のねぇ奴ばっかりだな!!」



『なんだ。あの魔獣は!!初めて見るぞ!!』
『あれは・・・異世界の魔獣『クマ』かもしれない』
『知っているのか?』
『確か・・・『死んだフリ』をすればやり過ごせるという伝承があるらしい。』


『何ぃ・・・よし、いくぞ、せーの』
数名がバタバタと倒れていく。


熊「・・・せめて、俺が見てないところでやれよ!」





『オーク・・・だと・・・こんな魔獣に勝てるわけがない・・・』
オークを見て騎士団員は逃げ出す。

『ゴーレム・・・だと・・・こんな兵器に勝てるわけがない・・・』
ゴーレムを見て騎士団員は逃げ出す。


『エルフの少女・・・だと・・・こんなの・・・』
『可愛い』
『ああ、可愛い』
『可愛い』

ただし、少女はゴーレムの上に乗っている・・・






正教会の騎士団の数少ない女性騎士・・・
彼女は運悪く瓦礫に足を挟んでしまい動けないでいた・・・
そこにオークが通りかかる。


こっちに気づいて、ゆっくりと近づいてくる・・・


女性騎士『・・・くっ・・・よりによってオークに見つかってしまった・・・』


こんな汚らわしい魔獣に・・・私は乱暴されてしまうのか・・・
彼女は両手で顔を覆った。
なんという屈辱・・・


しばらくして・・・目をひらくと・・・足の瓦礫が取り除かれていた・・・
オークは・・・ただ黙って去っていく・・・


女性騎士『・・・私を助けて・・・くれたのか・・・』
女性騎士は胸がキュンとときめくのを感じた。

女性騎士『くっ・・・こんなことで・・・こんなことで・・・』






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孝一は何とか立ち上がり、教会地下の牢屋にたどり着いた。

「水上君!!!」


大海が牢屋の鉄格子から手をふっているのが見えた。

孝一「よし・・・いま『はたく』で牢屋の壁を壊してやるからな・・・」

見張り兵『うわあああ・・・牢屋の鍵をお渡ししますから・・・命だけは・・・』
と鍵を置いて去っていった。



孝一「・・・・」
大海「・・・」



孝一「よし・・・いま『はたく』で壁を・・・」
大海「・・・普通に・・鍵で・・開けよ?」






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捕まっていた魔法学校の生徒たちは次々解放されていった。


大海は孝一のそばに付いていた。

大海(・・・孝一君に再開出来た・・・どうしよう・・・)




感極まって抱き付いても大丈夫だろうか・・・
そう・・・感極まったのだから仕方ない・・・




ああ、そんなことまで先読みしてしまう・・・真田流と自分が憎い・・・




大海は抱き付くかどうか悩んでいた。

大海(・・・とりあえず・・・心配かけてごめん的なことを言わないと・・・)
大海は自分になにかが覆いかぶさるのを感じた。

大海「え」


孝一「・・・無事で良かった・・・」


孝一が自分に抱き付いている・・・孝一の体温と心音を感じた。
大海(・・・・あわわわ・・・・)
大海は顔から蒸気が吹き出しそうになった。


このあと大海の表情は終始とろけていた。
・・・孝一はそのまま意識が飛んでいた。