魔法協会は大手である。
ウツロの所属する魔法協会は大手である。
この国で魔法協会に匹敵する組織は正教会ぐらいじゃないかなぁ・・・
魔法協会に勤める=エリート?という図式も成立するはずだ。
俺は末端員だけど・・・ミラより給料低いけど・・・
ウツロは今日も魔法協会のローブを翻して・・・どやぁ顔して北支部の街ミストクラノスを歩く・・・
八百屋のおばさんがウツロに話しかける。
「ちょっとあなた・・・いつもプラプラしているけれど・・・ちゃんと定職に就きなさいよ?」
ウツロ「!?」
ウツロ「・・・就いてます。ほらこれ魔法協会のローブ!」
八百屋のおばさんは疑わしい目でじろじろとウツロを見る。
「ホントかな?・・・ぱっと見 あの魔法協会員とは思えないねぇ・・・みんなそう噂してるよ・・・」
な・・・な・・・そんな風に思われてたの?俺・・・
「部隊行動のはずの魔法協会員なのに・・・いつも一人だし・・・」
ウツロ「・・・ソロ派なんです・・・」
「あと、キャバ嬢みたいな子とよく一緒にいるって噂になっているわよ・・・夜遊びもほどほどにしないと・・・」
ミラのことか・・・
確かにミラの容姿とスタイルは そうとしか 見えないけど・・・
ミラって名前も源氏名みたいに聞こえるな・・・
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週末、ミラがまた遊びに来ていた。
居酒屋の丸テーブルで料理を食べる。
おい、ミラ、お酒は絶対に飲むなよ・・・危ない、危ない
ミラはすぐ隣に座って、もくもくとご飯を食べる。だから、距離が近いって、位置取りが不自然だから・・・
同僚「羨ましいなぁ・・・ウツロ」
ウツロ「そうか・・」
同僚「もうミラちゃんにお金払わないと悪いレベルだろう・・・」
ウツロ「・・・」
ミラ「・・・」
ウツロ「・・・そうだな・・・俺も常々そこは申し訳ないと思っていたんだ・・・」
財布を取り出すウツロ・・・
ミラ「・・・ええ」
ミラ「ウツロ先輩やめて!それを受け取ったら何かが壊れてしまう気がするよ?」
ミラは機嫌が悪くなったのか・・・
怯える獣のような顔で・・・
くっついて離れようとしなかった。
流石に俺も少し失礼だったなと反省したので、今回は抵抗しないようにした・・・