アクアローナ様来訪
お見合いおばさん
仕事から下宿に戻る途中・・・あり得ない人物に出くわした・・・アクアローナ様だった。
お洒落な喫茶店の個室に通されるウツロ・・・
アクアローナはケーキセットを頼んで紅茶を飲み一息ついた。
アクア「真面目な話があります・・・」
アクア「ミラに関してです・・・」
ウツロは緊張していた・・・
この人は魔法協会トップの七賢人なんだ・・・その方の真面目な話・・・さぞかし大事な話なんだろう・・・
きっとミラの魔法に何らかのリスクがあるのでは・・・あんなに多属性をバカスカ撃つなんて・・・この世の真理に反する気がするし・・・ずるい・・・そう、ずるい
アクア「その・・・ミラとの関係のその後の進捗はどうですか?」
ウツロ「・・・はい?」
この人は魔法協会トップの・・・七賢人の・・・あれ?なんだっけ・・・
ウツロ「・・・ミラに直接聞けばいいのでは?」
アクア「ミラは恥ずかしがって教えてくれないのです・・・くぅ・・・聞きたいのに」
もう・・・ただのお見合いおばさんと化してきている気がする・・・
アクア「ええ、存じていますもの・・・こんなおばさんの出歯亀お節介は迷惑でしょうけれど・・・とても気になるのです・・・少しでいいので教えてくれませんか!ウツロさん・・・」
アクアが再び目線を戻した時、
既にウツロは音もたてずその場から立ち去っていた・・・
アクア「・・・あれ?」
流石ウツロさん、私に気配を気取られることなくここから立ち去るとは大したものです。
「見つけましたよ、アクアローナ様」
アクア「げぇ・・・メルビア・・・」
【メルビア=バトス】
長身メガネの女性で独身
アクアローナの救済した子供のひとりで、現在は秘書をしている。
仕事をサボりがちなアクアローナに厳しく接する。
メルビ「また、こんなところで油を売って・・・いい加減七賢人である自覚を持ってください・・・」
アクア「いいじゃないですか・・・」
アクア「「とっても純粋美人のミラと素直になれないウツロさん二人の関係を影から見守って・・・ニヨニヨしたい!・・・純粋にそれだけなんです!」
メルビ「その気持ちは純粋じゃないです。」
アクア「ふぅ・・・メルビアにも『いいひと』がいればねぇ・・・」
メルビ「何か言いましたカ?」
アクア(怖い・・・これは禁句だったわ・・・)
メルビ「お言葉ですが・・・ミラージュには貴族からの縁談の話も少しはありますし・・・こんな末端員よりもそちらと縁組させた方が良いのでは?」
アクア「・・・」
メルビ「何か?」
うわ・・・その発想はモテませんよ・・・メルビア・・・
アクアローナは言葉にするのをぎりぎり堪えた。
悪趣味だな・・・
会長という立場は働かなくてよいのでは・・・