ウツロ ミラの昔の記憶

ミラ 昔の記憶




この私ミラージュ=イエールには昔の記憶がない・・・




12歳頃、
アクアローナ様に引き取られてからの記憶ははっきりするのだが、
それ以降の記憶がすっぽり抜け落ちている。


もうひとつ不思議なことに
『ミラスロット』という魔法はその時点で使うことができるようになっていた。

ランダムだが、こんな高位の多属性魔法を使うことができるなんて普通ではありえない
どこで習ったのかと 魔法学校でケーリーに驚かれた・・・


つまり、『記憶がないこと』と『ミラスロット』には何か関係があるのだろう・・・



うーん、考えたところで記憶がないのだからわからないんだけれども・・・





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その日はウツロ先輩と魔獣討伐任務の帰りだった。
廃城の近くの小屋で野宿することになった・・・


ウツロはミラに夕食のパンを渡す。




お城・・・夕食・・・




ミラの中で、その姿が昔の映像とダブる。



ミラ「・・・」



ウツロ「どうした?」





ミラ「・・・ウツロ先輩・・・私たち昔会ったことがありませんか?」






いきなり何を言い出すんだこの子・・・


ミラ「・・・いいえ、なんでもありません・・・忘れてください・・・」


就寝中・・・ウツロとなりのウツロ先輩は眠っただろうか?
相変わらず、物音ないし、いびき も かかないヒトだな・・・


ミラは仰向けに横になって考える・・・



あのとき・・・男の子の姿が頭の中に浮かんで来た・・・顔はわからないけど・・・すごく安心する感じだった・・・


もしかして12歳以前の私が好きだったヒトなんだろうか・・・ああ・・・ウツロ先輩の前でそんなことを考えるなんて・・・私の浮気者・・・ああ・・・




こんな時・・・ウツロ先輩が優しく私を抱きしめたりしてくれたら・・・いいのにな・・・





ミラは暗い中、ウツロの寝袋の方を向く。じーっと恨めしい視線を送る・・・

ウツロ(・・・なんか見られてるな・・・)












後日、再び山脈にとぼとぼと登る・・・
後ろからミラがついてくる。




ウツロ「はいはい・・・そうかもな・・・」


ミラ「・・・また、適当に流してぇ」



ウツロ「・・・」
ミラ「・・・」




ミラ「私の中でウツロ先輩は・・・毎日晩御飯持ってきてくれそうな感じなんです」

なんだそれは・・・






ミラ=ミレスだというのか・・・流石にありえないだろう・・・性格だって全然違うし