ウツロ そうだ仕事はもっと・・・


そうだ仕事はもっとギスギスしていた





本日の仕事は、マズ―ル隊のヘルプに入ることだった。





討伐対象は『獣人盗賊団』・・・獣人とはまた厄介な・・・


【獣人】
半分獣、半分ヒトな種族・・・魔獣と呼ぶと各種団体から怒られる。
ヒトよりも嗅覚、聴覚、身体能力に優れており、戦うと非常に厄介である。
ずっと西には獣人帝国なるものがあり、ウツロは行商で何度か行ったことがある。




エレノールさんの話によると
なかなかこの獣人盗賊団の討伐に成功せず、現在は、ズブズブのドロドロ状態であるとのこと
その話を聞いただけであまりかかわりたくなかったのだが・・・



「だから、そんなやり方ではダメだと言っているんだッ!!」



ミーティング開始直後から、いきなり罵声が飛ぶ。



「なんだとッ、以前の打ち合わせでは貴様もこの案に賛同していたではないか!」



口々に叫ばれる、罵詈雑言、ヤジ・・・この場に居るのがツライ・・・


ここで会話に割って入って、気の利いた一言でも言えればカッコいいんだろうけれど・・・
下っ端俺が何か言おうものなら、ガブリガブリ噛みつかれること必死
ヘルプは余計な口を挟まない・・・これ自分ルールね


いい加減退屈になってきたが、言い合いは続く。



本部勤めの時はこれが普通だったな・・・そうだ仕事ってこのギスギスが普通だよな・・・
支部に行ってからはそんな記憶がない・・・
てか・・・ソロ部隊だもの・・・言い合う相手もいないよな・・・ああ・・・ああ




特に妙案も出ないまま会議は打ち切りになった。

え、これからどうすればいいの・・・














今日も前と同じ防衛体制で行くそうだ。
優しそうな剣士の先輩がウツロに話しかける。



「じゃあ・・・ウツロ君のポジションは・・・後方側面ね・・・」



いつぞやと同じ後方側面を












きっと、仕事がトラブる前は楽観的でなーなーだったんだろうな・・・それがここにきて上からのキツイフォローが来て、後悔















そうだ仕事はもっとギスギスしていた・・・


ヘルプは余計な口を挟まない