風切りを当てるのは難しい
『けふ カザキリ あてること出来にけり 希有なことなれば・・・』
などと古文書に書かれるほどに当て辛いらしい。
というかそんな昔からあったのか『風切り』・・・
骸骨恐怖症とかと戦いつつ
やっとの思いで
枝を切ることが出来たわけだが・・・
次は当たらないという問題が・・・なんだこれ・・・
※のちに知った話だが、魔法協会剣士もメインの魔法は魔法斬撃で
風切りはあくまでけん制用に使うのが一般的らしい。
威力自体は高い、高いんだが・・・
コンマ秒だけ発生する斬撃をいかに命中させるか・・・動いている的だと難しい。
さらに相手が風切りの性質を理解しているならばなおさら難しくなる。
前後に少し動くだけで簡単に躱せるし・・・
魔法が一般的でなかった頃は・・・
「なんだ?あいつあんな離れたところで剣を振って?」
ザシュ・・・
「斬られた?・・・しまった魔法だったのかー」
となったらしいが・・・時代が進むにつれて風切りを知る人や魔獣が増えてきて、
今では
「ああ、あれね・・・あの魔法ね」
と簡単に避けられて
「今時・・・風切りとか・・・ぷぷ」
という感じになるらしい。
時代の流れって恐ろしい・・・
さらに・・・さらに言うなら・・・
魔力が少ない自分は連射ができず、ミスも許されない・・・残酷、残酷だよ・・・
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「これ当て辛いですね」
ミラの『風』の目に対する感想だった。
馬鹿野郎、あれだけ潤沢な魔力で、有効斬撃範囲も広いのに当て辛いとは何事か。
ミラの頬をぐいぐい人差し指で押すウツロだった。