ウツロ 盾騎士と魔法淑女


盾騎士と魔法淑女



シルドとマリエ




最近、討伐数を稼いでいると話題になっている部隊がある、部隊というかコンビなのだが、通称『盾剣士と魔法淑女』

元剣士であったシルドは魔力が少ないことで伸び悩んでいた。そこで剣を捨て盾に専念することで魔力の少なさをカバーしているらしい。
相方の魔法淑女は魔力が多すぎて制御が効かず、誰とも部隊を構成できなかった、しかしシルドと組むことで彼女の長所を余すことなく生かせているという・・・
ちなみに、マリエはスタイルが良く、大人の色気がある女性なので魔法協会内でファンが多い。



ミラ「・・・なんだか私たちとキャラが被っていますね」



ウツロ「・・・」



ミラ「特に・・・このマリエって人・・・私とキャラが被ってますねぇ」

ウツロ(そこが一番被ってないだろ・・・)
ウツロもマリエのことが少し気になっていた・・・
ウツロ(大人の色気いいなぁ・・・)





$$$






「勝負だ!!ウツロ=ハイイロ!!」







何事?
というかこの人初対面でいきなりなんなんだろう・・・

ウツロとミラが東支部近郊で任務をしていた時、シルドとマリエに偶然出会う。
そこでの彼の第一声がそれだった。



シルド「前々から君のことを注目していた・・・いつか決着をつけねばと思っていたところだ。」


ウツロ「なぜ?」






シルド「キャラが被っているからだ!!!」







ウツロ「・・・」


シルド「・・・キャラが被っているからだ!」
ん・・・良かった聞き違い・・・って聞き違いじゃないッ







俺は・・・魔力7だ・・・こんな魔力の少ない俺・・・だが、盾使いに特化することで、魔力の少なさをカバーしている・・・そして、それを誇りに思っている。

シルド「組織に中で、『魔力が少ないけれど強い』という自分の地位を、自分のキャラを、アイデンティティーを確立するために俺は君と戦わなければならないんだ。」



ウツロ(・・・なんだこの人・・・・キャラとかアイデンティティーのために戦うってどういうことだよ・・・意味がわからない)
そういえば、ついこの間、後輩魔女に『風切り』真似されて凹んでた 誰かさんがいたような気がするが・・・げふげふ




ミラ「ウツロ先輩・・・これは戦う必要がありそうですね・・・ごくり」
いや、そんな必要はないだろ・・・




マリエ「あなたがミラージュね」
シルドの後ろに控えていたマリエ・・・シルドに絡みついて体を寄せる・・・
なんというかとってもエロスだった・・・

シルドも慣れた手つきで、マリエの腰に手を回す。ガタイのいいシルドとマリエは、すごく絵になる・・・



ミラ「・・・ウツロ先輩、ウツロ先輩」
こっそり耳打ちするミラ


ウツロ「・・・なんだ」
ミラ「こっちも威圧感を与えるために『アレ』をやりましょうよ」
やらんわ




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マリエ「稽古をつけてあげるわ・・・かかって来なさい」
ミラ「負けませんよ、先輩」



シルド「さて・・・こちらも戦おう・・・ウツロ君」
ウツロ「・・・」



いつの間にか、
マリエvsミラ
シルドvsウツロ
で戦う流れになっていた・・・



ウツロ「あの・・・」
シルド「どうした?」




ウツロ「協会員同士の野良試合なんて魔法協会の規則で禁止されてるのでは?」

シルド「?・・・そんなことはないぞ・・・」



ウツロは魔法の書の魔法協会規則を開く。



【魔法の書:魔法協会規則89条】
協会員同士の決闘は死を伴わない限り可能とする。
(アクアローナ コメント:直接ぶつからないと生まれない絆もある>_<)


なんだこれ・・・












シルド「君の魔力はいくつだ?」



ウツロ「・・・5だ・・・」
シルド「・・・うわ」
うわって言った・・・ひどい・・・



君はそんな絶望的な数値でありながら、そこそこの討伐数を上げているそうじゃないか・・・







なんという美談・・・




それで・・・君とキャラが被っていることに気づいた・・・


ミラ「・・・確かに」
俺ってそんなキャラだっけ・・・





ミラ「ウツロ先輩・・・こっちも威圧感を与えるためにアレをやりましょうよ・・・」
ちょっと黙ってろ・・・







マリエ「ミラ・・・私のアドバイスを覚えているかしら?」
アドバイス



ミラ「はい、『中途半端にブレーキをかけるぐらいなら、アクセルを全力で踏み込め!』ですよね!今も実践しています。」







この間からミラにちょっと距離を置いている小さい男がいましたねぇ・・・ああ、ブーメラン








接近戦か・・・
あのひと盾さばきも相当だって聞くからな・・・迂闊に踏み込んだら剣をはじき落されるだけか・・・

それに・・・せっかくの盾プロなんだから
対盾用の技を試したいところだ。





不思議と勝負に対する気負いも緊張もなかった、
負けたら名誉とか評判が少し下がるだろうか・・・まぁゼロに何をかけてもゼロであるのと同じようにうしまうものもないのだろうな・・・








ミラ「マリエ先輩・・・あのもしかして・・・その指輪って・・・」

マリエ「ええ・・・相棒になって半年で彼から熱烈なプロポーズを・・・ふふ」


ミラ「・・・ぐ」


ミラ「・・・ウツロ先輩・・・私達は・・・圧倒的に負けています」
目に涙をにじませるミラ


何言ってるんだ?両方とも勝っただろ・・・









キャラになりたいんだよ