【仮面王女編】仮面の魔法協会員
それはウツロが魔法協会に入会してから1,2年の話・・・
ウツロはため息をつく。
その音は広い地下水道の壁面に少し反響してむなしく消える。
リムガント旧市街地下水道
もう人もあまり住まなくなったこの区画の地下水道には多数の魔獣が巣くっていた。
それらをせん滅して来いというのが今回の任務である。
巨大で厄介な魔獣が既に主力部隊が潰しているが・・・
雑魚の掃討が進まないでいた。
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隊長「というわけで今日から助っ人にヘルプに入ってもらうことになった・・・」
「まったく・・・この仕事に割く人員が少なすぎると思いますわ」
後ろから声がする。
仮面をつけた女性がウツロに話しかける。
昔の疫病を治療する医者みたいな『くちばしのついた鳥の仮面』
ふーこーふーこー、ふごふご言いながら話す声は滑稽だ。
彼女の名は『ミステ』
急遽抜擢された彼女は今、ウツロとコンビを組んでいた。
ウツロ「その仮面暑くない?」
ミステ「ご心配なく」
ウツロ「話を戻すが・・・人員足りないのも、王女様のせいだよな」
ミステ「?」
王女の『魔法協会員一日体験』の警備が急に割り込んできたせいで主力部隊のスケジュールが狂ってしまったことが、原因の一つであるらしい・・・
ミステ(私のせいかー・・・)
地面に手をついてうなだれるミステ
ウツロ「・・・お前が責任感じることないと思うが」
ウツロはその様子を訝し気に眺めてた。