『なんだお前は?』
『Leg Kicker』
「ケイシュウ・・・ケイシュウ・・・謳州語の勉強は進んでいるか?」
師匠が俺の肩をたたく。
夜中、寝る前に謳州語の勉強をしていたが、つい、舟をこいでしまっていた。
「ああ、まぁ・・・だいたい(進んでない)」
「Leg Kicker・・・」
「?」
「御土流では通じないだろう・・・だから謳州語で『Leg Kicker』と名乗るのはどうかと思ってな」
「この『あるふぁべっと』で書くとなんかカッコいいなぁ、ケイシュウ」
師匠が墨で書く「あるふぁべっと」は達筆だった。