脛蹴り 言語設定について


言語設定について





謳州の言語は無論、桜花国と異なる。





こういう物語は普通言葉の壁なんてないんじゃない?
ところがどっこい、現実は非常である。


「ケイシュウ・・・ケイシュウ・・・謳州語の勉強は進んでいるか?」
師匠が俺の肩をたたく。
夜中、寝る前に謳州語の勉強をしていたが、つい、舟をこいでしまっていた。

「ああ、まぁ・・・だいたい(進んでない)」


「Leg Kicker・・・」


「?」



「御土流では通じないだろう・・・だから謳州語で『Leg Kicker』と名乗るのはどうかと思ってな」


「この『あるふぁべっと』で書くとなんかカッコいいなぁ、ケイシュウ」


師匠が墨で書く「あるふぁべっと」は達筆だった。




$$$




ちなみにリジェットさんは『桜花語』も堪能だ。
だからこそ、ケイシュウの連絡役に選ばれたらしいが、


先日のミシェル君(男)の辛辣なる一言、本来ならば怒るところであるが、



むしろ突然話しかけられた、なまの謳州語の意味を聞き取れて「どやぁ」という気分になっていた。



そして、まだ続く、リジェットさんのお説教






——早く帰りたい。