言語設定について
謳州の言語は無論、桜花国と異なる。
こういう物語は普通言葉の壁なんてないんじゃない?
ところがどっこい、現実は非常である。
「ケイシュウ・・・ケイシュウ・・・謳州語の勉強は進んでいるか?」
師匠が俺の肩をたたく。
夜中、寝る前に謳州語の勉強をしていたが、つい、舟をこいでしまっていた。
「ああ、まぁ・・・だいたい(進んでない)」
「Leg Kicker・・・」
「?」
「御土流では通じないだろう・・・だから謳州語で『Leg Kicker』と名乗るのはどうかと思ってな」
「この『あるふぁべっと』で書くとなんかカッコいいなぁ、ケイシュウ」
師匠が墨で書く「あるふぁべっと」は達筆だった。
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ちなみにリジェットさんは『桜花語』も堪能だ。
だからこそ、ケイシュウの連絡役に選ばれたらしいが、
先日のミシェル君(男)の辛辣なる一言、本来ならば怒るところであるが、
むしろ突然話しかけられた、なまの謳州語の意味を聞き取れて「どやぁ」という気分になっていた。
そして、まだ続く、リジェットさんのお説教
——早く帰りたい。