魔法協会員メンさん
今日の任務は西支部近く、久しぶりだ・・・
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エレノール:本日同行していただく魔法使いは
『変わった人』ですが、実力は確かですよ
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・・・変わった人か
まぁ魔法協会は色々いるからな
もう例え何が来ても驚かないようにしよう。
もうすぐ待ち合わせ場所にたどり着く。
この匂い。
ぷーという気の抜けたラッパの音・・・これは・・・
「おお、ウツロ久しぶりだな」
メンさんが居た。相変わらず、リヤカーの屋台を引っ張っている。
こんなところで会うなんて・・・ああ、任務でなければ一杯ご馳走になりたい。
「じゃあ行くか」
ん?どこへ?
「聞いてなかったのか?俺が今日同行する『魔法使い』だ」
は?いやいや何言ってるんですかメンさん
驚く俺に魔法協会員身分証明書を差し出すメンさん
・・・ええ
なんだそれどっちかというと飲食業に従事するメンさんは『守る側』だろうに
「あの・・・」
「心配するな、ウツロ、俺は魔法が使える・・・」
「『ら・めん』っていう魔法を・・・な」
いい顔でつぶやくメンさん
・・・大丈夫だろうか
今日の任務は『蜥蜴人の説得』だ。
蜥蜴人は獣人の中でもクラスティア周辺になじみが深い。
その辺境の村では最近蜥蜴人が引っ越してきて水場でもめ事が絶えないらしい。
蜥蜴人は獣人の中でも魔獣寄りに分類されるので最悪の場合は殲滅しろとのご達し
まぁ、まずは事情を様子見ってところか
本腰入れるとなると大きな部隊が動くはずだ。
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村に向かう途中、蜥蜴人の戦士っぽいの3匹に出くわす。
3匹くらいいたが、俺たち側の戦闘員がひとりと見ると
向こうも強そうな奴1匹で相手をするらしい。
意外に騎士精神にあふれている。
もしちゃんと会話できれば交渉だって成り立つかもしれないが、
いかんせん、ここまでこじれたしな、それも難しいだろう
後ろでメンさんが鍋に火をかけていた。
美味しそうな匂いがあたりにただよう。
は・・・いかん、集中集中
蜥蜴人たちも困惑しているのか、ざわついているな
向こうは長物を持っているが、こっちの風切りはそれよりも射程が長い。
かゆみ風切りで、動きを制限しつつ、削る。
魔法は使えないけど結構強いな、
常に鍛錬を欠かさず、鍛えてきただろうことをうかがわせる。
・・・悪いけどこれも仕事だ。次でとどめ
「待ちな!!!」
出来上がった「ら・めん」の食器を蜥蜴人に差し出すメン
ちょメンさん危ない
「さぁ・・・食ってくんねぇ」
メンさんの圧力に屈してか、恐る恐る食器に顔を近づけ、食べ始める蜥蜴人たち
・・・食うのかよ
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魔法協会員メンさん その2
Side:蜥蜴人
歩みを止めない
これからも共に励もう、なぁ
メンさんに言われるとそれはとても身の引き締まる思いがした。
「それは・・・ともかく・・・」
やっぱり、メンさんのら・めんは美味かった。
いや、前よりも数段美味しいかもしれない。
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