レベルアップ祈祷師ローベルさん
休日回続き
ミラに引っ張られて、ミストクラノス中央通りから離れた路地裏に入る。
ミラ「ここにちょっと今話題の祈祷師がいるんですよ」
祈祷師?
女の人が好きな占い師みたいな奴だろうか
ミラ「レベルアップ祈祷師っていうんですけど」
ぶ・・・ああ・・・
怪しげな露天商を営むレベルアップ祈祷師はまだ若い女性だった。
無表情な彼女は淡々と祈祷を始めていく。
「あなたの恋愛レベルは・・・既に高いです」
「おお」
「・・・ええ、意中の人が『あなたのお尻をこっそりみてしまう』くらいのレベルです」
「・・・本当ですか、ウツロ先輩?!」
嬉しそうにこちらを向くミラ
俺に聞くな・・・いや、見てないし(震え声)
一通り話をして満足するミラ
「初めまして・・・ウツロさん?」
祈祷師の女性は、ミラに聞こえないようにこっちに話しかけてきた。
ウツロ「どうして、俺の名前を知ってる?」
「レーベルお婆ちゃんから聞きました。私は孫のローベルと言います、魔力の低い魔法協会剣士がいたらその人だと」
ウツロ「・・・」
ローベル「私、その人のステータスを見ることができるんですよ、ふふすごいでしょう?」
ウツロさん・・・お婆ちゃんに聞いてた通りの クズステータス ですねぇ・・・
ふふ・・・リセマラした方がいいんじゃないですか(笑)
あなたのお連れは・・・うわ・・・
ウツロさんとは別の意味でドン引きなんですが
SSRなんてもんじゃない、チート過ぎてクレームが出るレベルですよ、びっくりです。
ちょくちょくよくわからない業界用語が挟まるが、すごい褒めているというのはわかる。
そして、俺はすごい貶されているらしい。
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ウツロは先をいくミラの後をゆっくりと歩く。
ローベルの最後の言葉を思い出す。
「最後に予言します」
ミラさんはあれだけの魔力と才能を持っているのだから
彼女はどんどん先へ進んでいきますよ?あなたなんて霞んでしまうほどに・・・
そしたら、あなたはどうしますか?
・・・
ずっと一緒になんてことなんそもそもあり得ない。
そう遠くないうちに異動になって、別れる日が来るだろう、わかっている。
・・・
とはいえせっかくの休日に 暗いこと 考えるのはやめておこう。
ウツロはふーと息を吐く。
あの妖怪婆さんまだ生きてんのか
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後日、北支部にて、
ウツロ「いいか、レベルアップ祈祷師っていうのは、西の国の有名な詐欺でだな」
ミラ「ええ・・・そんなことないですよ」
「私視点では彼女の輝きが眩しすぎて、ウツロさんが霞んで見えないくらいです」
や め ろ