承認欲求の怪物
承認欲求の怪物に手を出してはならない(戒め)
隔夜夢、最下層、夜
ウォオオオオオオオ!!!!
背筋のゾッとする悍ましいうめき声が響き渡る。
上層でまた奴が暴れているようだ。
「奴とは誰の事です?」
シヴァは男に尋ねる。
「奴は通称『承認欲求の怪物』」
『承認欲求の怪物』
それは『作者のなれの果て』のひとつ。
よくわからない因縁をつけて
ひたすら攻撃的に周囲に噛みついて暴れまわる。
対象の精神を削っていく恐ろしい魔物だ。
『あの・・・こんな危ないネタ書いて、本物が来ても知りませんよ?』
それは大丈夫だ。
奴らは上層の作者しか相手にしない。
特に底辺は相手にしない。
俺は底辺だから大丈夫なんだよっ
『ああ、そうですか・・・』
$$$
男は窓の外から望遠鏡で
上層をのぞく。
「何をしているのです?」
シヴァが耳元でつぶやく。
「どわ、・・・それ、ぞわっとするからやめろ」
「うふふ」
そのだな・・・
承認欲求の怪物の姿でも見ようと思って
かかわってはならないモノだが、その存在を遠くから見たいという欲求はある。
『なんというクズい野次馬』
く、それもあるが・・・
奴らは作者のなれの果てだからな
俺にも当然、理不尽を感じて攻撃的になりたいという思いもなくはない。
だからこそ、
見定めねばならん
とはいえ、自分に被害が及ばないように安全な場所からみるのだった。
翌日、
近所の家々は対承認欲求怪物についての守りを固めているようだ。
雨戸を閉めたり、板で窓を打ち付けたりしていた。
ふむ、ウチもやっておくか・・・
(中国の山月記みたいな感じ)