隔夜夢 いまだ見えぬ上層への階段

いまだ見えぬ上層への階段




よく武術の達人なんかが言うセリフ
『強くなるほどに 奴との差が どれだけ途方もないか 身をもってわかる』




素人ほどプロとの差が見えていないと言い換えてもいい。
星3ケタも達成したことがない男は今日も隔夜夢の上層部を見上げる。


天気のいい日でさえ、
そこは雲に覆われて、姿さえ見えない。


無論、上層部をうろうろすることも出来るが、それは『お客』としてである。


『創作者』として その場所に踏み入ることは出来ない。
まさに天上世界と呼ぶにふさわしい場所だ。

「3ケタとか余裕じゃないッスかねw」
なんていう輩が居たら殴り飛ばしたいッ



ちょっとした努力が足りないのかもしれない。
そういうちょっとした気遣いが足りないのかもしれない。
ちょっとしたコツに気づけず、馬鹿みたいな反復を繰り返しているのかもしれない。




今日も虚ろな目で上層部を見上げる。
眼のハイライトは消えている。




シヴァ(ああ・・・ご主人・・・今日もいい眼ですわ・・・)




シヴァが にやけ ながらこっちを見ているが気にしない。