ウツロ 本部にて エレノールさん


ウツロ 本部にて エレノールさん




せっかく本部に来たのだから・・・




エレノールさんに会っていこう。
ウツロはエレノールさんの顔も声も知らない。
エレノールさんとは魔法の書(メール)のやりとりだけだったから・・・とはいえ魔法協会情報サポート部の担当とは最初に顔合わせするのが普通である。いままで機会がなかったのが不思議なくらいだった。


ついに長らく謎のベールに包まれていたエレノールさんの姿が明らかになる・・・すでに想像が先走り過ぎて後光を携えた女神のような存在になりつつあるエレノールさん


正直・・・普通のおばちゃんだったりしたらどうしよう・・・
たとえエレノールさんの真の姿がなんであれ、前の上司とは比べるのも愚かしい女神のような心根のひとという事実は変わらない・・・そう変わらないんだ・・・



廊下で目を血走らせるウツロは挙動不審の怪しい奴だった・・・
行き交う人々は訝し気にその様子を眺める。



いや・・・ワンチャン・・・
まだ未婚でめちゃくちゃ美人で上品なお姉さんということも・・・ある・・・あって欲しい・・・




「エレナは今日は出張よ」





ああ・・・そうですか・・・
また、ニアミスか・・・

悲しいような・・・ほっとしたような・・・複雑な気分だった・・・