ウツロ 盗賊団バルバトスその2
後方側面にて
バルバトス盗賊団作戦会議にて
リーダのバルバトスが大声で話す。
これから魔法協会シェルタス隊を迎え撃つわけだが・・・まともにやりあっては分が悪い。
「そこでだ、だれか森を側面から抜けて後方から追撃、シェルタス隊を挟み撃ちにするのはどうだろうか?」
団員全員下を向いて反応しない。
(・・・でた・・・またリーダーの奇策だよ・・・これが出ると毎回碌な目に合わないんだよな・・・)
「あの・・・この盗賊団はそこまで人数が多くないので、素直に正面から迎え撃った方が・・・」
バルバトスはむーっと眉をひそめる。
「もういい、俺がやる!俺と森を抜ける奴はついてこい!」
・・・
誰も手を挙げなかった・・・
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バル「俺がお前らの部隊を背後から挟み撃ちにするのさ!!」
なんてことだ・・・
絶望顔をするぽっちゃ隊員
「なんて頭のキレる奴だ・・・」
ちょっと照れるバルバトス・・・
バル「・・・魔法協会にもちっとはデキる奴がいるみたいだな」
なんでちょっと嬉しそうなんだこいつ・・・
その作戦って、もっと戦争みたいな多人数の時に使う手でない?
「ウツロさん俺が食い止めますから、早く逃げて」
おお、やる気十分だな・・・若いって素晴らしい・・・ここはサポートに徹して、後輩に花を持たせてやるかな・・・
大仰な盾を構えるぽっちゃり隊員、バルバトスは不敵ににたりと笑う。
バルバトス「・・・ふふふ・・・惜しい人材だが、脅威は早めに摘み取っておくか・・・」
バルバトスが遠くから剣を振る。
ウツロはぽっちゃり隊員を蹴り飛ばす。
盾は真っ二つに割れていた。
蹴り飛ばしてなかったら・・・ぽっちゃりごと真っ二つだったな・・・
『風切り』か・・・魔法出力高め、有効斬撃範囲広そうで羨ましい・・・
今ので完全に腰砕けているぽっちゃ隊員
ウツロ「・・・いいから、先に行って、このことを報告してきてくれ。」
「・・・ウツロさん、すんません、あなたの犠牲は無駄にはしませんから!!」
泣きながら走っていく彼・・・
犠牲って・・・
バルバトス「・・・ん?・・・お前いつからそこに居たんだ?」
ええ
ふたりで盛り上がって俺はカヤの外だったけども・・・
すいませんね、ノリが悪くて
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さっきの『風切り』は高威力だった・・・
結構強い相手だ・・・
ウツロは『風切り』を放つ・・・
バルバトスは大剣でそれをガードする。
バルバトス「ハハッしょぼい威力だな・・・喰らったらかゆくなりそうだぜ。」
あ、実はそれかゆくなる『風切り』なんですが
ウツロとバルバトスは至近距離で剣を交わす・・・体格が大きく腕力もあるバルバトスの方が優勢であった。
くっ
たまらず距離をとる。
ウツロは・・・
相手をよく見て・・・薄くため息をつく・・・
剣に魔力を纏わせ・・・2回剣を振る。
バルバトス(なんだ?また『風切り』か?・・・そんなもん剣でガードすれば・・・)
『風切り』は剣のガードをすり抜けて・・・魔力の剣閃が自分の体を走る。
?
バルバトスはボタボタと肩から液体が流れているのに気づく・・・
血だ・・・肩を斬られた・・・
ちっ・・・
バルバトスはひるがえって森へ逃げていった。
ウツロ(・・・全然ピンピンしてるな・・・やっぱり斬撃が軽い・・・)
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バルバトス盗賊団の制圧は無事完了したらしい。
バルバトスも捕縛された。
手傷を負いながら仲間を助けに戻ったリーダーバルバトスは敵ながら見上げた奴であるとシェルタスは褒めていたそうだった。
証拠念写をしなかったウツロに成果なし・・・まあヘルプだからいいけど
0.2の酒ですぜ
ああ、『0.2風切り』っぽくてなんか嫌だ・・・
100%の奴ね
はぁ・・・ちょっと残念そうなマスター
オカミって呼んでって言ってるやろぉ
キョウカさん