【過去編】そして現在
夕刻、それはそれで眠い
ウツロは北支部の街を目指して峠をあるく・・・
空は曇り空でもくもくと巨大な雲がひしめき合っていた・・・
俺の記憶は・・・あの骸骨の化け物に風切りを放ったところで途切れている・・・
あの化け物は魔法協会の七賢人が討伐したと聞いた・・・
その後もラグベール城周辺には瘴気が残り続けて、魔獣の巣窟となっているらしい。
ミレスの行方は分からない・・・その他のたくさんの人々の所在もすべて不明だ・・・
結局・・・あの場所で俺が出来ることなんてなかったんだな・・・
逆に邪魔であったであろう・・・
「そんなことはないよッ」
突然、後ろからトウカゲに呼びかけられる。
この子いつも突然現れるな・・・
トウカゲ「あの化け物は・・・むしろ・・・ウツロちゃんが討伐したんだよ」
トウカゲ「・・・」
ウツロ「・・・」
ウツロ(・・・そんなわけないでしょうに)
このやりとり・・・何度目だろうか・・・励まし方が雑だよトウカゲちゃん
トウカゲ「もう・・・一体いつになったら信じてくれるんだろうか」
トウカゲは異国のお土産をいくつか渡して去っていく。
もっと魔力があれば・・・
あの惨状をどうにかできたのだろうか・・・わからない・・・
ふーっとため息をついて、
北支部の街を目指して歩を進めることにした。
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後日、再び山脈にとぼとぼと登る・・・
後ろからミラがついてくる。
途中の休憩地点でウツロはミラにパンを渡す。
ミラの中で、その姿が昔の映像とダブる。
ミラ「・・・」
ウツロ「どうした?」
ミラ「・・・ウツロ先輩・・・私たち昔会ったことがありませんか?」
いきなり何を言い出すんだこの子・・・
ウツロ「はいはい・・・そうかもな・・・」
ミラ「・・・また、適当に流してぇ」
ウツロ「・・・」
ミラ「・・・」
ミラ「私の中でウツロ先輩は・・・毎日晩御飯持ってきてくれそうな感じなんです」
なんだそれは・・・
ミラ=ミレスだというのか・・・流石にありえないだろう・・・性格だって全然違うし
そういえばミレスはどの属性の魔法も高レベルで使うことができる天才でミラと似ているな・・・
だが、ランダムでなくいつでも出し入れできたぞ?
ちなみにジレンは現在西支部の剣士をしている、俺のことを弟子だと言っているらしいが、個人的にあれは取引で弟子になったつもりはないんだが・・・まあいいか
ジレンは今、西支部の剣士をしているらしい・・・俺のことを弟子とか言っているらしいが俺はそう思っていない。あれはただの取引だし