はたく ファーストコンタクト
【月江さん編】ファーストコンタクト
俺は三島翔平だ・・・
幼馴染の君恵のために俺は一肌脱ぐことにした・・・
水上孝一と友達になって君恵との仲を取り持ってやろう・・・ああ・・・俺ってやつは健気だな・・・
さて、最初にどう話しかけるかだが・・・
「壁殴りって楽しい?」・・・駄目だろ思いっきり馬鹿にしているように聞こえる
「週末は何している?」・・・「壁殴りだ」という返事から行き止まりだな
違う・・・そんなんじゃ回りくどい・・・いっそ体当たりするつもりで・・・
休み時間、寝ている孝一に思い切って言ってやった。
三島「俺、三島翔平・・・お前と仲良くなりたいんだけど・・・」
え・・・え・・・
クラス中が騒然とする・・・
沈黙を破って・・・女子のひとりが声を出す・・・
「三島君って誰とも付き合ってないけど・・・そうだったの?・・・」
ざわ・・・ざわ・・・
クラスが別の意味で騒然とする・・・
なんでそういう発想になるんだよッ・・・今のセリフ吐いた女子誰だよ・・・
ふと・・・月江君恵が『鬼のような視線』でこちらを睨んでいることに気が付いた・・・
何その顔・・・別に『水上を横取りしよう』とか思ってねぇよ・・・
むしろ君恵さんのためなんだが・・・
三島「友達になりたくて・・・」
そのセリフでクラスがひとまず落ち着いたようだった・・・ふー危うくひどい誤解を生むところだった。
後ろから誰かが背中をつつく。
三島「?」
豆太「おい・・・水上とは俺が最初に友達になったんだが・・・水上さんと話すときは俺を通してもらおうかなぁ・・・くくく」
※豆太は月江と仲がいい三島に嫉妬中
なんだ?こいつ・・・うぜぇ・・・
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豆太「友人2号君には・・・パンでも買ってきてもらおうかぁ・・・くくく」
豆太が三島に命令する・・・
三島(ちくしょう・・・豆太のせいで水上と話すこともできない・・・)
豆太「クラス一のイケメンをパシらせる・・・ふふふ愉快愉快」
孝一「・・・」
三島「チョコレートパンとコーヒー牛乳を買って来たんだが・・・これでいいかな」
三島は悪びれずニコっと笑って対応する。
豆太(く・・・俺の好みを完全に把握している・・・だと・・・仕事ができやがる・・・しかし、『俺なんか』にパシりにされた三島の『クラスの評判』はがた落ちのはず・・・くくく)
「三島君・・・豆太なんかの言うこと聞くなんて・・・誰にでも優しくて素敵ね」
豆太(むしろ・・・評価を上げた・・・だと)
「三島君に命令する豆太何様なの?」
豆太(・・・俺の評判は下がった・・・だと)
孝一「流石の俺も・・・あれはどうかと思うんだが・・・」
ちくしょう・・・イケメンの馬鹿野郎と叫んで豆太は泣きながら走り去ってしまった。
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放課後喫茶店で月江はひどく不機嫌だった。
月江「翔平・・・余計なことをしないで」
三島「別にいいだろ・・・協力してやるんだから・・・」
月江「私だって・・・水上に話しかけることぐらいできるわよ・・・」
そう言ってもう中学3年から1年以上経過しているじゃないか・・・
月江「く・・・」
月江「明日・・・」
月江「明日まず・・・挨拶をしてみせるわ・・・」
お・・・おお