【行商人編】物の価値について
・・・さて、ウツロお勉強の時間だよ
野営中・・・テントの中でカルロの講義が始まった。
本当にこのお姉さんは 教えたり教えられたリ が好きなんだな・・・
カルロ「これは何だと思う?」
カルロはキノコの魔獣の人形を取り出す。
手をかざすと魔導印が作用してフニフニとダンスを踊り出す。
『踊るマタンゴラン人形』・・・魔法の国クラスティア発祥のお土産でよく見かける人形だ・・・
ウツロ「ラグベールでもよく売ってる子供だましの玩具じゃないですか・・・これがどうかしたのか?」
カルロ「その通り・・・ここら辺の地方では『子供だましの玩具』で二束三文の値段でしか売れない・・・」
カルロ「でもコレ・・・西の国では『金貨1枚』で売れる。」
ウツロ「!・・・コレが?」
カルロ「こんなものでも・・・西の国では、珍しいんだよね」
つまり、『物の価値は場所によって大きく変わる』・・・
このことをよーく頭に刻んでおくんだよ・・・うちら行商人は、それを糧に商売してるんだから・・・
物の価値について講義が続く・・・
長い話にウツロは舟をこぎ始めた・・・
眠くなってきたかな?
カルロ「おし、じゃあ関節技の実技に切り替えますか、にしし」
ウツロ「え」
ウツロの顔が青ざめる。
関節技は西の国で使う人が多い格闘術でカルロは免許持ちだった。
こんなものが数倍の値段で売れる・・・本当だろうか疑わしい
物の価値は『場所によって価値が変わる』このことをよくよく覚えておきな。
海に近い地域で塩はただみたいな値段だけど、山岳地域へ行くと跳ね上がるからね、こうしてただ荷物を運ぶだけのうちらの商売が成り立つんだよ。
眠くなってきたかな・・・
おし、じゃあ関節技の実技に切り替えますか、にしし
ウツロ「え」
ウツロの顔が青ざめる。
獣人はこのクラスティアじゃ珍しい。それが奴らの価値を高めているだけ・・・
魔法を使ってきたらヤバい?・・・はは・・・こんなところで盗賊やってる連中が魔力が高いわけがない・・・高いなら獣人帝国での出世を選ぶに決まっているからだ・・・だったら対処方法はおのずと決まってくるだろうに・・・
真面目同期
また勝手に行動するのは君の悪い癖だ。
確かに魔法を察知して回避能力の高い獣人は魔法使いにとって相性が悪い相手かもしれないけど・・・規格外は別だろう・・・