【月江さん編】合コン回
「合コンに行かないか?」
三島の誘いは突然だった。
「清和女子高の子に誘われたんだど、メンツが2名足りなくて・・・月江も来るし」
孝一は眠い目をこすりながら、その話を聞く。
ごうこん ってなんだ?
孝一「・・・今週末の休みは壁殴りがあるから・・・無理かな」
豆太はそっと孝一の肩に手を置く。
豆太「わかった、俺たち2名は参加するからよろしく。」
え、何言ってんの、豆太
三島「じゃあ、今週の土曜だからな」
豆太「・・・」
孝一「・・・」
豆太「・・・俺たち友達だろ?・・・頼む、この通り、月江さんと距離を縮めるチャンスなんだ。頼む・・・この通りだ。」
泣いてせがむ、豆太だった。
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土曜日、夜
お洒落なフレンチレストランにて
三島は豆太と孝一のふたりを出迎える。
三島「ここは親戚が経営するレストランなんだ・・・」
三島「・・・」
(おいおい・・・豆太・・・タキシードって気合い入れ過ぎだろ、引くわ・・・水上・・・制服って・・・おいおい」
※孝一のいい服は【未来タイムスリップ編】で紛失
月江「翔平・・・お待たせ・・・」
三島「・・・」
三島は言葉を失った・・・その位、ドレス姿の月江は綺麗だった・・・
って・・・すげぇいいドレス着てきたな・・・気合い入れ過ぎだろ、めっちゃ綺麗だ
清和の女子二人も揃って合コンがスタートした。
豆太「初めまして、川道・・・豆太です(精一杯のイケボ)」
ドン引きの清和女子二人・・・
ふ・・・まぁいい・・・月江さんさえ振り向いてくれれば・・・
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開始数分でテーブルの構成は以下のようになった。
三島 vs 清和女子A
vs 清和女子B
===============越えられない壁
豆太 vs 月江
孝一 vs
おいおい、開始から、まだ全然時間経ってないのに、なんでだよ・・・
もう別グループみたいになってるぞ・・・
ツッコミたい気持ちを抑えつつ、清和の女子二人とお洒落トークをこなす三島・・・
さて・・・あっちの様子は・・・
月江「・・・ご・・・ご・・・ごしゅ・・・ご趣味は・・・は・・・」
うん、前と同様 上手く喋れてないな
豆太「・・・『美女観察』ですかね・・・道行く人を観察して美女だったらじっくり見たり、なんだったら自分とお茶でもしてもらえないか、念を送ったりしています。」
なんだよ、その趣味・・・
例え本当だったとしても、この場で言っていい趣味じゃねーよ・・・
ほら、月江「誰だこいつ」みたいな怒り顔してるし、もうやめろ
孝一「・・・俺は・・・壁な・・・」
孝一「・・・」
月江「・・・」
ふと・・・熱い視線でこちらを見てくる月江と目が合った。
孝一「・・・いや・・・『壁観察』かな・・・街の壁をじっくり見て殴ったらどう振動するか考えたりしています。」
そこは真似しなくていいから、
『壁殴り』って言えよ、月江も知ってるから
しかし、月江は嬉しそうだった・・・
もうなんか水上と話せるだけで嬉しいんだろうな・・・ああ・・・ああ
そのやり取りを観察しつつ、清和女子との会話はソツなくこなす三島・・・
孝一は考える。
うーんなんか緊張するな・・・
三島と喋る女子は楽しそうだ。三島はすごいんだな・・・
・・・大海は
俺の話を楽しそうに聞いてくれるけど
三島みたいにもっといい感じに喋れた方が
いいんだろうか・・・
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食事が終わって店から出る。
「じゃあ、三島君、また連絡するからね!」
「ああ、わかった」
清和女子と三島のやり取りを横目で見つつ、
「じゃあ、俺らこっちだから」
幸せの絶頂のような顔をしている豆太を引っ張りながら孝一が背を向けると
月江「待って!」
孝一「?」
月江「水上、・・・1か月後にピアノのコンクールがあるんだけど・・・」
孝一「・・・」
月江「できれば・・・できれば・・・見に来て欲しい」
月江の真剣な目に気おされる孝一
「・・・まぁいいけど」
月江「約束だからね」
澄んだ青い夜空の下、綺麗なドレスに身を包んだ月江は、鋭い刃のように美しかった。
月江がお手洗いに立つ。
豆太が孝一を肘でつつく。
豆太「やべぇよ、水上、月江さんが俺のトークを笑顔で聞いてくれるなんて夢みたいだ。」
なんか、たまにすごい形相で睨みつけているようにも見えたが、気のせいか?
今度のピアノのコンクールに来て欲しいと伝える。
美女観察
壁観察
横の奴うるさい
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母「元気出しなさい、大海ちゃん」
大海「だって、だって・・・」
合コン回
豆太がどうしても行きたいと泣いてせがむ・・・
いや別にいいけど・・・
大海ショック・・・おおおお
月江しゃべれず
孝一も大海と距離を縮めたいと思っている。
三島を尊敬