ウツロ 続かない会話

夕食と続かない会話




ウツロとミラは小料理屋で夕食を食べる・・・




今日は任務帰りで遅くなったので・・・周りの客は まばら であった。




無言・・・




疲れていることもあってか・・・
お互いの食器の音だけが周囲に響く・・・



ミラ「・・・」
ミラは静かに立ち上がり・・・ウツロの傍までやってきた・・・



ウツロ「?」



そして・・・ウツロに抱き付こうとした・・・
ウツロはミラの肩を抑えてブロックする・・・




ウツロ「いきなり、何をする」
ミラ「ウツロ先輩・・・この『無言の空間』に耐えられなくて・・・つい」





『食事中の無言』は恐ろしいことです。
私のトーク力が試されるというか、私の話ってそんなにつまらない?
と恐怖になるというか・・・


ウツロ先輩と会話が続かない・・・


あああああ・・・


もう私には・・・『ハグ』しか残されていないッ
という結論に至りました・・・





ウツロ(なんで、『夕食を食べるだけ』なのにそんなに追いつめられてんだよ・・・)





ウツロ「いいか、ミラ・・・俺は、話すのは面倒だから、無言は嫌いじゃないんだよ」



ウツロ「さらに言うなら・・・俺は他国にいた時が長いから言えることなんだが・・・」




クラスティア王国の食事は・・・とても美味しいんだ・・・



ミラ「?」

肉とか魚とか1日1回は食べれるとか、それなんて天国と思ったほどだったし
行商団の普段の食事とか・・・本当に不味かったな・・・
ああ、思い出したくない、忘れたい



ウツロ「この美味しい食事は『静かに』味わって・・・食べるべきだろう」




ミラ「・・・」




・・・




ミラ「・・・この魚、脂がのってて、おいしいですね」
ウツロ「・・・ちょっと一口もらってもいいか」


そして、なんとなく続く会話









さらに相手が『魔法の書』など片手に暇つぶししてきた日には・・・





・・・



ミラ「・・・私は・・・会話をするのが苦手です・・・」
ウツロ「それで?」




・・・




再び席につく二人




「お兄さん、嬉しいこと言ってくれるねぇ」
周りから沸き起こる歓声・・
く、恥ずかしい



再び食事を食べるふたり・・・
ミラは黙って食事をしていた・・・


ウツロ「・・・」
騙されやすくて・・・助かるな・・・





ミラの力は強い・・・
ウツロは負けそうになるがなんとか押し返す。







私は、こんな時、おしゃれな会話を楽しみ
優雅な男女でいたいんです・・・
でも、なんかいっぱいいっぱいですし・・・