脛蹴り 実は魔術とかある世界観


実は魔術とかある世界観




魔術は謳州において太古の昔から存在した。




それはとかく秘匿することを良しとしたため
近代になるまでその存在は幻想だの夢物語などと言われることも多かったが、

今現在、謳州でそのような認識を持つ者は少ない。
かのDr.リーベルマインによって体系化された魔術理論は
戦争の方法すら一変させた。



・・・と教科書には書かれているようだ。



学術機関は授業を自由に選ぶことができる。
理数、化学工学、商学、経済学、政治法学の他に
魔術、武術科なんてものもある。
いずれも単位を取得するのが難しい。


俺は、魔術、武術科を選択した。
魔術武術科は生徒同士の決闘も許可され、ポイントも授与される。
弱そうに見える俺のとの決闘はそのポイント稼ぎのためらしい。


どうしてそんな面倒な科を選択してしまったんだったけ・・・

「あなたは飛んだり跳ねたりは得意でしょう?」

そう、未だに言語のおぼつかない俺に選択肢の余地などなかったのだ。
ただでさえ年上なのに、留年などしてなるものか





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訓練場にて


ミシェル君と向かい合う。
観戦席には人が、ちらほら見受けられた。


サングラスとマスクをした人物が観客席の後ろでコソコソこちらを見ている。
(・・・リジェットさん・・・あんなところで何しているんだろう?)


『俺を相手によそ見とは余裕だなぁ?』


ミシェルは鼻息荒く剣を振りかざす。



「ああ、すまん」



ケイシュウは・・・
ゆっくりと・・・両手をポケットに突っ込む。



その流麗な動作に
ミシェルはごくりと息を飲む。

ただポケットに手を入れただけなのに・・・なんだ?・・・この圧迫感
額から汗がにじみ出る。



『・・・じゃあこっちから行くぜ!』




燃え盛る煉獄の火炎剣 フレイムファイヤーバーストソード!!!




『出たぁ!!ミシェルの燃え盛る煉獄の火炎剣!!、あれで上級生を病院送りにしたんだよな!!』
『なんてすさまじい魔力・・・そしてポテンシャルぅ』

『それに比べて、相手の奴・・・弱そうだな』
『ぷぷ、ビビッてちびってんじゃねーのか』



まだまだぁ!!!
頭上に剣を掲げて
魔力を注ぎ込む・・・
さらに燃え盛るミシェル君の剣・・・



ケイシュウも驚いていた。
炎の剣の事ではなく・・・



こいつ・・・脛が隙だらけ過ぎるだろ・・・




勝負は一瞬でついた。