オリジナル小説

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100年後、
悪魔の壺の封印は解かれ、
100年間の間ため込んだ魔力でさらに凶暴になった12匹の悪魔たちが解き放たれていった。
そして、13匹目のアーシェもまた100年後のこの世界に降り立った。


かなり古びてしまったけれど、見慣れた風景、100年前のカルデラ城と変わっていなかった。
けれど、彼女を知っている者は誰もいなかった。



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キロが首になり追放された直後入れ替わるようにして、
カルデラの皇太子ギレン様が妃を迎えられた。
相手はなんと素性の知れない一般市民



コスカ「あなたは、私を愛してくれる?」
聴衆「はい、コスカ様!!!コスカ様!!!」


国民は彼女に魅了され、崇拝した。
彼女は愛される悪魔、彼女の能力は人を魅了し愛される能力
逆に彼女の魔術が効きにくい者、敵対するものには厳しい弾圧を与えた。


コスカ「どうして、私を嫌うの?私を嫌うものはすべて滅びればいい」



今、カルデラ城一帯の市政は混乱し荒廃していた。


彼女は悪魔だった。



愛される悪魔
人に自分を愛させる能力を持つ
わがままで臆病
とても美しい女性



夜半過ぎ、
コスカ「ギレン様、私、怖い夢を見たの」
ギレン皇太子「どうしたんだい、私の愛しい、コスカ」
コスカ「私はもうすぐ、殺されるわ、白い剣を持った悪魔のような男に」


ギレン皇太子「そんなことをするのは、誰なんだ?」
コスカ「名前は、キロ=エバンス、白い剣を持っている男よ。」
ギレン皇太子「大丈夫だ。愛するお前を必ず守って見せる。」



次の日、
ギレン皇太子「兵士長、命令を下します。
今すぐ、キロ=エバンスという男の身柄を拘束してここへ連れてきなさい。彼を罪人として処刑します。」

兵士長「はぁ、しかし、陛下、キロ=エバンスはかつての私の部下ですが、彼がどんな罪を犯したのですか?」

ギレン皇太子「我が最愛の妻を殺すかもしれない罪です。」

兵士長「・・・陛下、お言葉ですが、
同じように無実の罪を着せられて投獄された者が何十名もおります。が彼らが何かをおこなおうとしていたとは到底思えません。
まだ、おこなってもいない犯罪について裁くのはいかがなものかと・・・」

ギレン皇太子「我が最愛の妻についてのことは何よりも優先されるべき問題です。
もう一度命じます。彼をここへ連れてきなさい。それとも、兵士長、我が妃が殺されてもよいと?」

兵士長「め、めっそうもございません。今すぐに手配いたします。」





キロたちは、カルデラ城へゆっくりと向かっていた。
キロの足取りは重い。


アーシェ・・・
カルデラで一番有名なおとぎ話の女騎士の名前
魔女モールスの操る悪魔12匹を退治して
死んだ英雄
そういえば、カルデラで兵士してた頃、兵士長がこの話が大好きでいつも話していたっけ
特にアーシェの死を悼んで父親が自殺したところが涙を誘うとか
俺は悪趣味だって内心思ってたけど