【行商人編】アンデット騎士団 おまけ
ウツロがなぜアンデット騎士団の偽装魔法を見破れたかの補足
去り際、ウツロの名前を尋ねるアンデット騎士団
ウツロ「俺の名前?・・・ウツロ=ハイイロです。」
※ラグベールでは苗字を名乗る風習がないため『ハイイロ』は勝手に名乗っているだけ
「!」
「!」
「ハイイロ?・・・『我らが姫』が名乗っている名前と同じではないか?」
「まさか姫のご子息・・・」
「なななな・・・」
「落ち着け・・・そんなまさか・・・そんなまさか」
「姫はお子を産める年齢の体ではないぞ」
「セクハラ発言やめんかー」
マジ殴りされ、ふっとぶ骸骨
「ぐはッ」
ウツロ(体育会系・・・怖い)
ウツロは恐怖を覚えた。
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闇の七賢人、トウカゲ=ハイイロは影移動でアンデット騎士団の前に降り立つ。
トウカゲ「お疲れ様、騎士団のみんな」
「姫様」
「姫様!」
「姫様!」
トウカゲ「・・・」
トウカゲ「もう・・・『姫呼ばわり』はやめてって・・・いつも言ってるでしょ」
「ですが・・・あなた様が我らの姫であることは疑いもない事実であります。」
「そうだ」
「そうですとも」
トウカゲ「今はもう姫じゃないんだから・・・」
昔、あなた達と国を救えなかった私に姫を名乗る資格なんて・・・ないし・・・
「なんという心遣い、痛み入ります。」
「やはり我らの姫は優しい」
「姫様」
「姫様」
・・・ああ・・・何度言えば・・・
【アンデット騎士団グリフィドール】
闇の七賢人トウカゲの率いる騎士団、存在は非公式である。
大昔からトウカゲと関りがあるらしい。
彼らはアンデットであるが、トウカゲの偽装魔法で外見は普通の人間に見える。
クラスティア周辺諸外国の大型魔獣等を討伐して秩序を保つことを任とする。
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ウツロはラグベール時代からずっと『ジレンからもらった首飾り』を身に着けている。
後から聞いた話、この首飾りはトウカゲちゃんの物で、トウカゲちゃんが影移動をする際のアンテナのような役割を果たしている。付随する効果として、トウカゲちゃんの影移動に干渉しないために首飾りの周辺の同系統の『闇魔法の効果を打ち消すこと』があるらしい。
つまり・・・この首飾りのせいでアンデット騎士団の正体が見破れたということのようだった。
俺に甘い、トウカゲちゃんの配慮かもしれないが、その時は完全に裏目だったな・・・まぁいいけど
今現在も時々、骸骨に声をかけられることがある。
アンデット騎士団の団員が任務等でクラスティアに訪れているからだ。
「おお、久しぶりだな!・・・ウツロ」
「・・・お久しぶりです・・・」
骸骨恐怖症が治ったとはいえ、突然は、やや心臓に悪いな・・・
ミラがこっそりウツロの裾をひっぱる。
ウツロ「?」
ミラ「・・・ウツロ先輩・・・あの骸骨と知り合いなんですか?」
ミラにも正体が見えているようだった・・・