【行商人編】寒い日とメンさんの屋台
木枯らしの季節・・・
寒い・・・
こんな日は行商団時代に出会った彼のことを思い出す。
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【行商人編】メンさんの屋台
ほぼ日の沈んだ夕刻・・・
人気のない道を行商団は進む。
ふと前からカラカラと
荷車の音が聞こえる。
赤い紙のランプを灯す人力荷車
いや・・・屋台のようだった。
ぷーっとラッパを吹くひとりの・・・強面の男だった。
紺色の薄着に白い手ぬぐいを額に巻いている。
魔獣も出没するこの辺りでその姿は異様だ。
カルロを含め警戒する行商団の面々
荷台の隅っこで寝ていたレーベル婆さんがすっくと立ちあがる。
「・・・」
レーベル婆さんは黙って屋台の座席に座る。
男も黙って鍋を取り出し、魔術で火を起こす。
ぐつぐつと煮える二つの鍋。
黙って黙々と作業する男
ドロドロの白いスープから良い香りがあたりに広がる。
「へい、お待ち」
ドンとスープの入った食器を差し出す男
レーベルは出された料理を黙々と食べる。
「・・・うっま」
すべてを食べ終わったレーベル婆さんは食器を置く。
「・・・腕を上げたじゃないか、メン=テンイチよ」
「お久しぶりです、師匠」
レーベル「だが・・・レベルが足らんの、これではワシを満足させるには まだまだ 足らぬ」
メン「はい、これからも精進いたしやす」
ウツロ(・・・婆さんさっき「うっま」って言ったよね)
おそるおそるカルロはレーベルに話しかける。
「あの、お婆ちゃんの知り合い?」
「・・・なんじゃ、お主ら、『ら・めん』を知らんのか」
『ら・めん』とは、異国の郷土料理であるそうだ。
ら・めんは奥が深く、その生涯をかけてその道を究めんとする者も多い。
この屋台の店主「メン=テンイチ」もその一人で、人力屋台で各地を旅しては『ら・めん』の道を探求しているらしい。
カルロ「というわけでウツロ・・・最初にあんたが食べてみなさい」
毒身役かよ・・・
そして、信頼ゼロのレーベル婆さん・・・
次にウツロが屋台の席に座る。出された「ら・めん」から白く熱い湯気が立ち上る。
(なんだこの料理・・・パスタなのに汁多過ぎ)
一口・・
二口・・・
食べていく・・・
ごくりと息を飲む周囲・・・
ウツロ「うっま」
その時食べた「ら・めん」は
美味しいという感想しか出てこなかった。
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木枯らしの季節・・・
寒い・・・
凍える寒さの道を行商団は進む。
カルロ「・・・ああ、こんな日は「ら・めん」食べたい・・・」
後から聞いた話、
メンさんに会えるのは、すごくレアでラッキーなこと らしかった。
こんな事が起こるのも旅の醍醐味とでもいうのだろうか・・・と思ったりする。
ら・めん食べたいな
ネタキャラ枠として
その枠に入れないで欲しいんだが
メンさんに出会えるなんて、ウツロ先輩いいな
有名人だった