【行商人編】見栄っ張りウツロ
朝早く、
行商団はファルシドールを出発する。
眠い・・・
色々厄介ごとに巻き込まれて
ほとんど寝れなかったからな・・・
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川べりで大泣きするレイスに
どうしていいかわからないウツロ
「ほらよ」
ウツロは観念して首飾りを渡すことにした。
「・・・いいの?」
「大丈夫だ」
トウカゲちゃんには怒られそうだけど
「・・・じゃあお金」
・・・お金はいらない
「どうして?これで念願の娼館にいけるわよ?」
その話引っ張るのやめろ
「なんというか、あんたを応援したくなったんだ・・・だから、お金はいらない」
ふ・・・
近づいて背伸びして
ほっぺにキスするレイス
「ありがとう、私は頑張るわ」
ウツロは、自分に何が起こったかわからず、目を丸くするばかりだった。
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「ウツロ!!お前、歌姫レイスって美人エルフと毎夜会ってたって本当か?」
その後、行商団でそんな噂が広まった。
あれだけ派手にドンパチやってたら、見られて当然か
「ウツロの癖にナンパとか・・・しかも有名で美人なエルフとだと・・・」
たいそう羨ましがる同年代の男衆
「・・・」
「・・・そりゃもう・・・すごかったし」
本当は何もなかったけど
ウツロは見栄を張った。