オリジナル小説

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翌朝、
キロ「おはようございます。」
シスターさん「あ、おはようございます。」

シスターさんはちょうど包帯を取り換えていた。
指先から手全体にひどい火傷のあとが残っていた。



キロ「大丈夫ですか?」
シスターさん「ああ、・・・・これは、・・・うっかりと熱いお鍋を触ってしまいまして・・・」
少しうろたえたように答えた。





(火傷?・・・焼け跡・・・まあ、いいか・・・そんなことより剣を渡してしまおう)





キロ「シスターさん!昨日の夜のお話ですが・・」





若者「シスターさん大変だ!」
シスターさん「どうしました?」
若者「シスターさんのとこのガキが川でおぼれてるってみんなが!!」




「・・・・・・」
シスターの顔色がみるみる真っ青になっていった。
「いやああああああああああ!!!」
シスターさんは甲高い悲鳴を上げた。
「嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌!!!誰も欠けては駄目!!!!」




シスターの常軌を逸した反応に驚いたもののキロは子供がおぼれた現場まで走り出した。
この村では泳げる人はいない。
しかし、キロは泳ぐことも多少はできる。
丸太をつかんで川に飛び込んだ。
なんとか子供を丸太にしがみつかせて岸までたどり着いた。



「おい、まだ息があるぞ」
「ああ、良かった」
「あんたやるじゃないか」



キロ(・・・・この村の役に立てた。やった。やったぞ俺)
子供「お兄ちゃん・・・ありがとう・・・」


キロは子供を抱きしめた。子供の体に白い剣が触れた。そのとき、子どもの中から黒い気体があらわれキロの剣に吸い込まれていった。
魔力を吸い取る白い剣が魔力を吸った。
キロ「・・・え、これって・・・」



子供の表情が一変した。
「あ、・・・・あれ・・・・なんで・・・僕はまだこうして生きているの?」
若者「ははは、そこのお兄ちゃんに助けてもらったんじゃないか」
子供「違う、違うよ、村が真っ赤に燃えて、僕の体も熱くなって・・・村祭りの前くらいだよ」
子供は真っ青になってがくがく震えだした。




おじいさん「そういえば、アンタ、村祭りあたりに村にいなかったがどこに行ってたんだ?」
若者「じいさん、何言ってんだよ、俺はずっとこの村にいたぜ?他にどこに行くっていうんだよ?」

おばさん「そういえば、村はずれのメルム婆さん、最近まで見かけなかったような」



場がざわつく・・・




火山の噴火
焼けた村の跡
生と死を入れ替える悪魔
この村に火傷をしているひとなんていない
一人を除いては・・・





キロはふらふらと歩き始めた。
キロ「はははは、・・・そんなはずはないって、・・・でも、確認しなくちゃ・・・」