『新 キロと13匹の悪魔』

『新 キロと13匹の悪魔』




記憶喪失アーシェに剣術を教える





大図書館近く、芝生のよく整備された公園でアーシェは待っていた。
アーシェ「今日はお願いします、先生」
キロ「・・・・あー、まあ、お手柔らかに・・・」


キロは兵士長に習った通り、剣の構えを教えた。
剣を構えたアーシェはなんだか得も言われぬ迫力を帯びていた。


キロ(・・・・・なんかアーシェに刺された脇腹がすーすーするな・・・)
使い魔も無自覚に発せられる迫力におびえているようだった。


アーシェ「・・・先生、私 才能ありますでしょうか?」
才能なら大いにあるだろう、なんなら世界最強って言っても言い過ぎではない。




お昼の弁当をつまみながら・・・

キロ「どうして剣術なんか習いたいんだ?」
アーシェ「・・・」


アーシェ「運動の苦手を克服したいっていうのが一番ですけど・・・他には・・・」



アーシェ「私・・・最近よく夢を見るんです。」
キロ「夢?」


アーシェ「誰かが・・・大きな怪物と戦っている夢・・・その人が剣で怪物を斬ると・・・その人はとても苦しいそうにするんですけど・・・私はそれを見ていることしかできなくて・・・・とても悲しい気持ちになるそんな夢なんです。・・・」


キロ「・・・・」


アーシェ「もし、私が剣術でも習って強くなれば・・・その人を少しでも助けてあげられるかもしれないじゃないですか。」



使い魔「・・・それってカルデラ国でのキロさんのこと・・・もごもご」
キロは使い魔の口を押えた。



キロ「・・・そんなよくわからない夢・・・忘れた方がいいよ。」
きっとその人は誰かに助けてもらうことを望んでなんかいない。自分の利益のために戦っているんだから・・・