【行商人編】アンデット騎士団 その1
まぁ別に骸骨恐怖症のままでも生活に支障なんてなかったんだけども・・・
現在、行商団は中継地点の街に駐留中である。
人手のかかる荷卸しの仕事もあらかた片付いた。
ウツロは近くの森を探索する・・・
「暇があるなら薬草でも摘んで来い」
というカルロの命令を遂行中であった。
最近、この森には『蠢く骸骨の魔獣』が出ると噂になっているらしい・・・
深入りしなければ大丈夫大丈夫・・・多分
お昼頃・・・
不注意にも魔獣に見つかってしまい、逃げ場が無くなる・・・
ガキンッ
魔獣から間一髪助けてもらった。
鋭い斬撃を放つ鎧の騎士
「怪我はないか?子供よ・・・」
なんという頼もしい全武装・・・
きっとどこかの国の偉い騎士に違いない・・・
「危ないところを助けていただいて・・・ありが・・・へ・・・」
その騎士の顔は・・・
骸骨だった・・・
ウツロ「わわわ・・・・」
怪我はなかったが・・・あまりの不意打ちに腰が抜けて動けない・・・
「・・・なんと・・・足でもひねったのか?・・・ここに居ては危ない、アジトで休むがいい。」
ウツロは骸骨の騎士に抱えられて連れていかれるのだった・・・
ぎゃーぎゃーぎゃー
悲鳴をあげたかったが恐怖のあまり声が出なかった・・・
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どうしてこんなことになってしまったのだろうか・・・
連れてこられたのは騎士団の野営地だった・・・
彼らの顔と体が骸骨であることを除けば普通の騎士団だろう・・・
悪い夢を見ているとしか思えないが、ここで気絶しても寝床へは戻れないだろうな・・・
「なんだ?その子供は・・・」
「魔獣に襲われているところを保護しました、団長」
「すごく怯えているようだが・・・」
「きっと魔獣が恐ろしかったのでしょうな」
・・・『お前らのせいだよッ』って言い辛い
子供が珍しいのか野営地で休息をとっている騎士達が集まってくる。
ウツロはひどく眩暈がしたが、なんとか堪える。
「おお、子供か・・・」
「君、お菓子をあげよう」
・・・いいえ、遠慮します。
いらないといってるのにポケットにねじ込まれてしまった。
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カルロ「お、何その美味しそうなお菓子・・・もらいっと」
カルロにポケットの砂糖菓子を取り上げられた。
・・・こっそり捨てようと思ってたのに・・・
カルロ「何これ・・・甘くっておいしいー」
カルロは上機嫌だ。
ウツロ「・・・」
ウツロはその後 カルロの体調に変化がないか しばらく観察することにした・・・
この子供は骸骨が怖い様だぞ・・・
なんてこった・・・
俺はイケメンだがらそうでもないよな?
・・・違いは判らない
魔獣同士の内ケバにしか見えないと思っているが・・・黙っておこう
それはイカンな・・・立派な騎士になれんではないか・・・
騎士になりたくもないし、
俺は風切りって魔法すら満足に扱えない才能なしだぞ
放ってみる・・・
枝が斬れない・・・
「なっとらーん!!」
「ジジイ、言葉が足りてねーよ」
「魔法云々というより剣の振り方がお粗末なんだと思うぞ。」
剣というのはだな・・・こうやって・・・こう・・・振るんだぞ
ギュンという風を切る音が聞こえた。
ウツロの素人目にもそれが鋭いとわかる気がした・・・
俺なんかのために指導なんて・・・
「バッカモーン!!」
「あーこのひと『若いのに遠慮するな』って言ってるぞ多分」
「俺ら普通の街に行き辛い体だし・・・こんな時ぐらいいいカッコさせてくれてもいいだろ?」
サイクロスプ討伐!!!
アンデット騎士団おまけの話
ハイイロ・・・
その名前って我らの姫が使っているのと同じ・・・
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後日
トウカゲ「もう・・・姫呼ばわりやめてって言ってるでしょ?」
「姫!!」
「姫!!」
「姫!!」
あーもうこいつらは・・・
ウツロは暇であった。
街の近くの森を探索する・・・
「暇があるなら薬草でも摘んで来い」
というカルロの命令を遂行中であった。
この森には近頃 『兜と鎧で武装した動く骸骨』 が現れるという噂があるらしい。
骸骨・・・
じゃあこの森で散策するとこは無理じゃないだろうか・・・
カルロ「どうして?」
カルロは俺の骸骨恐怖症のことを・・綺麗さっぱり忘れているようだった・・・
く、他人から見たら、些細な事なんだろうな・・・
今更掘り返すのも癪だったので、森へは行くことにした。
骸骨にさえ会わなければへーきへーき
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どうしてこんなことになってしまったんだろうか・・・
アンデット騎士団らしい・・・