【行商人編】その結論は今現在も変わらない
魔力さえあれば・・・俺の人生は大きく変わっていただろう・・・
5歳の時、ラグベールで魔力測定されて以来のそう思い続けている。
今日は行商団の馬車に乗りきらない荷物を支えながら進む・・・
ウツロ「縄ないの?、ここの荷物支えきれないよ」
カルロ「我慢しろ、あとちょっとで次の街だから」
今にも倒れそうなんだが・・・ヤバいヤバい
ああ・・・魔力さえあれば、
ひとっ飛びであの丘を越えられる移動魔法を発動出来たりするんだろうか・・・
ふと、荷馬車の隅っこで座っているレーベル婆さんの姿が目に入る。
そして、先日の『睡眠盗賊団との戦闘の一件』これも『魔力さえあれば』という考えに拍車をかける。
魔力さえあれば、ウツロだってあんな有名な盗賊団と戦うことだってできるんだと証明されてしまったんだから
休憩中・・・
ウツロ「魔力さえあれば・・・」
ウツロはぼんやり空を見ながらため息をつく。
レーベル婆さんはその様子を見て、呆れているようだった。
レーベル「まったく、お主は何もわかっておらんなぁ」
なんだって、俺が何をわかっていないって言うんだよ?
カルロ「ホント・・・何もわかってないよねぇ・・・ウツロは」
レーベル婆さんとカルロは やれやれ と顔を見合わせる。
俺は何でもわかってるっての
『この世がいかに不平等で残酷に出来ているか』って事くらい・・・な
レーベル「飯はまだかの?」
今さっき食べたでしょうが・・・
「わかっとるわい、」